先週はまさにこの時期の真っただ中であり、顧問先へ出向いての決算・税額報告、そして事務所内にいる間は確定申告書とにらめっこする日が続き、このコーナーを見向くことさえできず、残念であったが先週は久しぶりにお休みをいただいた。
もちろん確定申告はまだ終わっていないが、事務所内で取り決めた最終作業日である3月13日に向けて、事務所のメンバーも資料の入手待ちで未完了という先を数件抱えながらも最終段階に差し掛かってきているという状況で、今日はその合間を縫って、ひと時の息抜きを兼ねパソコンの前で綴っている。
実は先日 新聞である高校野球の監督のインタビューの記事が載っていて、その内容が経営者にも通じる部分があるなと思ったので少しだけここで紹介しておく。ちなみにその監督というのは昨年の選抜で優勝した健大高崎の青柳監督である。
企業経営者にとって業績の安定・向上は重要な課題であるが、それを実現するためには 同じくらい重要であり かつ 不可欠なものとして人事評価が挙げられる。
今から述べることは過去にもこのコーナーで何度も言ったことがあるので、以前も同じような内容を見たよという方もいらっしゃるかもしれないが、今回 ポイントとなるのは 経営者と従業員の距離があまりない中小企業における人事評価においては 情を挟まない ということである。
また仕事をする上で人柄は重要な要素であるが、この人柄に重きを置く、つまり人柄に左右され過ぎると人事評価は適正性を欠くことがあるようにも思う。
この健大高崎は我々のような高校野球のオールドファンから言うと、古くからの名門・古豪ではないがここ数年の活躍ぶりは今や名門と言っていいようなチームになってきている。
80〜100名近くの部員数を抱え、Aチーム(主力)、Bチーム(育成)、Cチーム(新人)と区分され、各編成ごとに試合を組み 年間試合数は300試合にも及んでいるというから、まさにプロ野球顔負けのチーム構成である。
私はどのスポーツでも、特に教育の一環として捉えられている高校スポーツの監督は選手の起用には頭を悩まされているだろうな と思っていた。
今回の青柳監督は この多くの部員数の中でのベンチ入りやレギュラーを選ぶ上で心掛けていることを「部員に近づきすぎると情が生まれ、離れすぎると心をつかめない」という言葉で表現されていた。
まさにこのことは中小企業の経営者にも当てはまることであり、この考えを貫いてこそ正当な評価ができるできるのでは 気付かされた言葉である。
確かに経営者は孤独であり、また人には言えないような弱い面も持っているので、ついつい優しくされたり、自分に対して都合よく振舞ってくれるものを評価しがちになるということは誰しもありがちな部分ではあるし、このことは決して否定できない。
「もちろん“情”は大切であるが、“情”に重きを置き過ぎた評価というのは決して正当なものにはならないし、情で選手起用した時は大抵失敗した。人柄はいいけど試合では使わないという
非常さも監督には必要。」という言葉に監督業の難しさ、苦労がにじみ出ているし、この青柳監督の言葉からはいろいろなことを学びとることができる。
最後にこれは私が人を評価する上で気を付けていることを一つ上げるとすれば、直近というか、目の前での仕事ぶりだけで評価するのではなく、従業員の行動、仕事ぶりを一年を通じてしっかりと観察した上で評価するようにしている。
これには「誰が」「いつ」「何をしたか」ということをきちんと記録し、年一回の人事評価の時にこの表も見ながら査定をするようにしている。そうでないと半年以上も前のことになるとついつい記憶が遠のいてしまっていることもあるので・・。
数人規模の事業所であれば経営者一人で評価することも可能であろうが、10人 あるいは 15人以上になってくると評価する側も複数名で検討しながら評価することも必須であろう。
これから春に向けてどこの事業所も人事評価の時期になってくると思うので、今日の話を少しだけでも頭の片隅に入れておかれると役に立つこともあるなか と思って綴った次第である。
では、今日はこの後 確定申告の残った分の処理、整理にかかるので、このへんでお終いとします。
また、来週 もう少しすっきりした気分でお会いしたいものです。