日々の出来事を扱ったニュースではないので平日であればサッと読み流してしま気持ちになる。
今日は“過去の繁栄は目指さない”という「おっと!」と思うような見出しで特集が組まれており、内容は人通りが少なく寂れ、シャッター通りと呼ばれる全国の多くの商店街の活性化策が載っていた。
ここでその内容について触れるつもりはないが、まず目についたこの見出しのその意味を頭の中で再確認してみると 「そうそう、これって商店街だけの話ではなく、他のことでもいえるわな」という感じがしてきた。
長年人生を送っているとどうしても今まで一番良かった時のことを思い浮かべ「あの頃よもう一度」なんて ほとんどありえない過去の繁栄やその頃の場面がまたどこかからやってくるのではなんて期待してしまう自分がある。
ただ、この“過去の繁栄は目指さない”というのは、もう少し突っ込んで考えてみると「過去の繁栄が戻ってくることなんてありえない」ということを認識し、目の前の現実と今後訪れる未来をしっかりと見据えないといけないということを教えてくれている。
来年に迫った大阪関西万博がマスコミで取り上げられるとき、1970年の大阪万博(EXPO 70)と比較され、中にはまるであの時の賑わいを期待するかのような番組設定もあるが、もうあんなことは起こらないし、時代が違うということをもっと直視しないといけないと思う。
人口の違いだけでなく、人間の意識や価値観はこの55年で大きき代わり、来年の万博はまるで別世界での万博というイベントであるということをどれだけの人が意識できているのか疑ってしまうような内容の番組もいくつかあった。
ここに万博を一つの例に挙げたが、我々の生活、仕事、家族や人間関係、そして価値観は過去のものとは大きく違うし、過去のもので通用するものは本当に限られたものになってきているようにも思う。
今まで仕事でも日常の生活の中でも過去を振り返り期待することも多かったし、また過去を目標としないこととなった時には逆に新たなことに取り組まず、「過去を捨てよう」なんていうスローガンを耳にしたこともあり、実際 自分自身に対してもこういった言葉を投げかけてきたことも幾度となくあった。
ただ、こんな過去は横に置いておき、その過去に出来上がったものを到達点とするのではなく、新しいもの、新たな形を創り上げるという点で、この“過去の繁栄を目指さない”という言葉は非常に目新しいもののような気がする。
今日は何か言葉の勉強のようになってしまった部分も無きにしも非ずだが、この新たな目標を設定する意識って結構いい方向へ導いてくれるような気がする。
後輩や部下たちに「昔はこうやったらうまくいったし」なんていう言葉が一番ダメな言葉であるということも再認識できた今日の内容であった。
でも人間って ついつい過去のいい時のことを思い出してしまいますよね。