2024年05月12日

No.880:熱い社長との1時間半

 先日 個人的に付き合いのある会社の経営者が事務所に相談に来られた。
 顧問先ではないのでその会社の経営内容までは知らないが、15年以上も前からお付き合いがあり、たまにいっしょに仕事をする機会もあるという間柄であるがお互い取引関係はないので気兼ねなく話し合える仲間の一人である。
 私の場合は同業者である税理士とは本当の意味で腹を割って話せる人はそう多くないし、顧問先に多いお医者さんは 仮に顧問先でない先生であっても何かの関係で仕事に影響するのでは と何かしら無意識のうちに構えて話をしている自分に気付くことがある。
 そういう意味で今回の経営者は本音で話ができる方である。

 この方の会社は40人ほどの社員を抱えておられるが、創業者ではないし、また創業者とは全く血縁関係もなく いわゆる就職した会社の中で上り詰めて社長になった方である。
 中小企業の二代目あるいは三代目として社長なったという私の周りに多い形とは違う形で社長になられた方で、年齢も50代前半なので、年齢的にも世間でいう一番 脂の乗ってきたいい時である。

 こういった経営者にとってはやはり社員や取引先からの”求心力”をいかに高められるかでということで悩んでいるとのことであった。
 私も経営者になって16年目の身なので、あるべき経営者像なんて語れるはずもなく、日頃 自分が気をつけていることや何かの節目で判断しないといけない時、何をもって決断を下していっているのかということを話した。
 ここでその内容を全て語るわけにはいかないが、5〜10人の組織であれば まだまだ社長の一存ですべてが決まる いわゆるワンマン経営であっても経営は成り立つが、最低でも15人以上の人数になると自分一人では把握できないこともたくさん出てくるので ”人に任す”ということが重要になってくる。
 ただこの ”人に任す”ことと、経営者の意思を社員にいかに伝えたり、社内にいかに浸透させるかということとの狭間での自分の立ち位置を考えり、どのタイミングで決断の下すのかという点では本当に難しいものがある。
 私自身も答えを持ち合わせていないが、この術に長けた経営者こそが会社を大きく展させていっているのだろうと思う。
 私がスタッフとの関係で心掛けているのは、お気に入りに人とそうでない人と というのを作らない、別の言い方をするとすべての人のことを気に入る、これって一見難しいように見えるが、「こいつのいいとこどこだっけ?」なんて考えていると自然に身に付く芸当である。
 もしかすると人間は元々あら捜しが好きな動物なのかもしれないが、その逆をすればいいだけであるし、決して全てを褒めちぎるわけではなくダメなものはダメとはっきり言える関係さえ作っておけば、恨んだり憎まれりすることもない。

 この日 この経営者は、「社長経験も浅いので、まだまだ知識が不十分である経営数値の読み方を学ぶことに重点を置こうと思っているんですが、この考え間違っていないでしょうか」と私の方へ問いかけられてきた。
 私は自分の過去の経験に思いを馳せて、「もちろんそれも大事ですけど、経営者が勉強しないといけない分野は限られたものではなく 全てですよ。特定の分野だけ学んだって経営ができるわけではないし。ただ知識は向こうからやってきて頭に入るものではないですから取りにいかないと。全ての分野において。」なんて偉そうに答えた。自分はたいしてできてもいないというのに・・・。
 どんな事業でも日々動いていて、常に何かが起こってしまうので、それに対処しているだけで1日、そして1週間があっという間に終わってしまうことだってある。
 言い訳するとこういった行動こそが、自分を進化させているのかなと勝手に良いように解釈している。

 この社長との話の中で何か結論が出たわけではなかったが、久しぶりに本気で顧問先以外の方とじっくり話ができ、熱いものが頭に残る1時間半の時間であった。
 あらためて考えると刺激がないと進化も進歩もしないなというのが結論のようである。

 今日は朝からすっきりしない天気である。
 講師を引き受けている3つのセミナーの準備をしながら少しゆっくりと と思っていたが、こんなブログを綴ったがために「あれもしないといけない、これもしないといけない」なんて仕事の進捗状況に目を向け、自分を焦らすような休日になってしまった。

 今日はカミさんが、「ポポ(ワンちゃん)の散歩頼むで」と言って早朝から出かけているので、もう少しすると朝に続いて夕方の散歩に出かけることになる。  
 実は休日のこの散歩の時間 結構好きなんです。では・・。
posted by ヒロイ at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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