2023年04月16日

No.826:ちょつと厳しい時もあるが、実はとても親想いな女医先生

 先日 顧問先の女医先生との面談時に5月の日程調整のあと、その流れでGWの過ごし方の話になった。
 我が事務所は俗にいうカレンダーどおりなので5月1日(月)と2日(火)は営業でその前は2連休、その後は5連休であるが、この先生は4月29日から5月7日まで9連休にされ、80代のお父さんを旅行に連れていかれる。
 長い期間の介護、闘病の末、一昨年にお母さんがお亡くなりになり、その後 一人暮らしとなったお父さんが、何かあると「どこか(旅行に)行きたい」とこの先生にお願いされるらしい。
 日頃は息子さん(この先生の弟さん)夫婦に同じ敷地内で半同居のお父さんの世話をしてもらっているので、こういったまとまった休みがとれるとこの先生はいつも旅行好きの親の希望を聞き、いろいろなところに連れて出かけておられる。

 7、8年前、まだお母さんもご健在だった頃は両親と3人 大型客船で7日間の船旅に連れていかれたこともあった。
 今回は〇日間の旅は行先は聞いてはいるが、ここでは触れないこととする。
 この先生は日頃は結構厳しい方で、今でこそ注意を受けることも少なくなったが、数年前までは何かあるごとによく注意をされたものである。
 一度、事務所の方からの郵送物で「○○医院」とするところを「○○クリニック」として送ってしまい、「名称は大事なんで間違えんといてな。」と言われたこともあったが、非常に重大な部分の誤りで注意を受けるのも当然のことである。


 この先生はお父さんとはいっしょに住んではおられないが、休日前になると「〇〇行きたいんだけど」と娘であるこの先生にせがんでこられるらしい。
 1月にも理由は分からないが突然、「今度、休みが取れたら和歌山に連れて行って」と言われ、行きたい目的も分からないまま、和歌山まで運転手をさせられたと愚痴っておられた。
 先日の面談時には、「父が今度は琵琶湖が見たいと言っているので、4月中には琵琶湖に連れて行かないといけないんです」と話しておられた。

 これってたわいもないような話に聞こえるかもしれないが、よくよく考えてみるとすごい孝行娘であり、そう簡単には真似のできない親孝行のように思う。
 誰しも若い頃には親にはお世話になっていながら、親が年老いてくるとなかなか親孝行をする機会も少なくなり、そうこうしているうちに施設に入ったり、寝込んだりするのが多くみられるパターンであろう。
 私も父は亡くなっているので母だけになってしまっているが、その母とて施設に入っているし、要介護度も進み、今ではもう会話のできる状態ではない。

 自分のスケジュール表を眺めてみると一週間に平均で10名近くの人と会うが、仕事の内容も相談事もさまざまであり、中にはイライラしたり、頭を抱えるような話もある。ただ、重い話ばかりではなく、今回のような話は直接 仕事に関係のある話ではないが、自分の生き方や家族のあり方も考えさせられ、私自身は当事者でなくともなんだかいい経験をしたようなすがすがしい気持ちになる。
 今の世の中、知らず知らずのうちに自己中心的な発想になりがちであるが、こういう話を聞くと 少し大げさかもしれないが何のために、誰のために生きているのか考えさせられたりする。

 帰り間際にこの先生に、「なんだかんだ言うても先生って 偉いと思いますわ。今日の話、帰りに運転しながら自分に置き換えてじっくり考えてみます」と言うと、この先生はすかさず、「別に特別のことをしている感覚はないですよ、だってここまで育ててくれたのは親ですもの」とさらりとおっしゃった。でも まかなかできませんよ娘が年老いた父親と二人で旅行するなんて・・。

 いや〜、今回の話を聞いて自己反省する部分はいくつもあるが、それ以上に本当に心が温まる話が聞けてなんだか得した気分で帰ってきた。
 これまで何度かお叱りを受けた先生であったし、正直 何度かムッとすることもあったが、今日の話で過去のそんなものは吹っ飛んでいった。
 今週も多くの人と会うが、どんな話が聞けるかな? とはいってもこういう類いの話をする前にしっかりと仕事を終えておかないといけないのは当然のことではある。
 今週は遠方の出張が多いな・・・。
posted by ヒロイ at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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