これだけSNSと共存し、個人的にもスマホやパソコンに囲まれながら生活している状態では、情報源はもはや新聞ではないという人がどんどん増えていっているのであろう。
調査が開始された14年前 2008年の88.6%と比較すると大幅に減少しており、新聞を紙で読む世代の高齢化に伴って50%を切るのは時間の問題と思われる。
我々の世代は子供の頃、新聞が読めるようになるとなんだか大人の仲間入りをしたような気分にもなり、その後 生活する上ではテレビと同じようになくてはならないものであった。
私の家ではダメと言われた「毎日小学生新聞」をとっていた友達がうらやましくて仕方がなかったことや大学受験の国語は朝日新聞の天声人語からよく引用されると言われた頃は、新聞が闊歩していたような時代であった。
あと 新聞の思い出というと、実家のすぐ近所に新聞屋さん(新聞販売所)があり、私の実家もそこの新聞をとっていたが、父は新聞が配達される6時過ぎまで待つことができず、毎日のように5時半にはその新聞屋さんへ新聞を取りに行っていた。まさに新聞はテレビ、ラジオに匹敵するくらいの情報源で、早く読みたいものであったのであろう。
今の時代、情報はスマホからと言わんばかりにみんなが四六時中スマホをいじっているし、大きな事件が起きると 瞬時にその情報が飛び込んでくるので、新聞と違って時差はほとんど感じられない
こういった波は中小企業の求人活動にも大きな影響を及ぼしていて、以前は人を雇い入れる場合、ハローワークと新聞の折込広告が主流であったが、購読率が6割、もしかすると若年層では5割は割り込んでいるであろう新聞の折込広告への期待はどんどん下がってきているであろう。
私が社会人になった頃、いや10年近く前までは、朝電車に乗ると新聞(ほとんどが日経新聞)を折りたたみながら読んでいる多くのサラリーマンの姿が目の前にあったが、今や新聞紙を広げている人は1車両に数名で、1、2名の時も珍しくない。
こんな状態であっても私はまだまだ紙の新聞から離れられなくて、朝6時過ぎに自宅のポストに入っている2紙(京都新聞と日本経済新聞)をとりに行くところから私の一日は始まり、毎朝 1時間近くかけて目を通した後、出勤の身支度を始めるのが日課になっている。
新聞の本欄以外に結構楽しみにしているのが広告の内容である。飲食店、旅行ツアー、セミナーの案内、それに新聞の紙面広告以外にも折込広告も目を通していて、こういった新聞の本来にニュース記事以外でも貴重な情報源となっている。
実は今回この内容を書き出していくうちに一つ謎が解けたことがある。
2、3年前までは 10月1日の新聞折込には(私立)幼稚園の入園案内が10枚近く入っていたのが 最近は数枚しか入らなくなっていたので経費削減かなと思っていた。
しかし、若年層の購読率がここまで下がってくると20〜30代をターゲットとした広告の効果は著しく低下していっているから効果少なし 判断しているように思われる。
学習塾の冬期講習等の案内は相変わらず多いが、最近は老人ホームや老人向け宅配弁当(宅食)の折り込みが目立つのも新聞の購読を支えているのが高齢者であることと無関係ではないということも想像できる。
消費税が10%に引き上げられた時、自宅配達の新聞代だけは新聞業界の後押しもあり8%のままに据え置かれたが、考えてみればこういった恩恵を受けているのは限られた層ということになってくる。
新聞のことで思い出話も含めいろいろと取り上げたが、数十年後には「以前は新聞は紙で、家に配られていたらしいよ」なんて言う時代が来るのかもしれない。
過去において50年間での変化が、今や10年、ものによっては5年で様変わりするが、よくよく考えてみると生きていきやすくなったのか、生きづらくなったのかわからない時代である。
前回も少し昭和について触れたが、数年先には「昭和の人たちはこんなことしてたんよ。」と言われるのでしょうか。大変な時代に突入していっているなと思うこと自体、遅れているのかな?