実はこの説明文は、“職場環境”の定義(意味)である。
一般的に「いい職場環境」とか、「職場環境が悪すぎる」なんていう言い方をするが、「いい職場環境」とは、一言でいえば「仕事のしやすい、仕事を続けやすい状況」のことを言うのであろう。
会社や職場を選ぶ基準として、比較的若い年代にとっては出産や育児に支障のないということは重要なことであろうし、出産に関しても当然のことながら女性だけでなく、男性の方もどのように関わることができるのかも非常に関心の高いところであろう。
また、転勤や配置転換の有無等、働く場所についても職場を選ぶ基準になるし、いくら給与が他の会社と比べて高かったとしても、こういった職場の環境が整っていないと働く人からは敬遠されることもあるだろう。逆に企業や事業主側もこういったことが他と比べて見劣りしているようではいい人材の確保は厳しくなってくるのは当然予測される。
もちろん労働法規や就業規則ではこういった権利は当然のことのように守られてきているが、実態はどうかということが問題である。休みたい時、必要な時に休めるかどうかとか・・。
我が事務所で働く人のお子さんも0歳から上は大学院生まで年齢も幅広いが、子供の年代ごとに必要とされる親の関り方はさまざまである。
30代の男性社員は毎日子供さんを保育園に送ってから事務所に出社するようだし、病気の時には子供さんを病院に連れていくこともあると聞いている。
また別に受験の後 大きな費用を掛けて進学されるお子さんを抱える方もいるが、こちらはこちらで子供へ愛情や労力をつぎ込むだけでなく、経済的な負担がドカッとか掛かってくるので、まさしく 「子供を学校にやるために働く」ということになるのだろう。
今の時代 あまりプライベートなことは本人が口にしない限り、こちらから問いかけることはほとんどないが、今後はこの子育て以外にも親の介護(世話)ということも大きな問題になってくると思うし、当事者だけでなく職場としても避けては通れない問題になってくる、というか なってきているように思う。
我が事務所には40代から50代の人も多く在籍しており、この年代に者にとっては 当然のことながら親の介護やお世話は日々直面している問題であろう。
実際、70〜80代の親を抱える40代の男性社員2人の親御さんがこの2週間の間にどちらも病気のため入院されたと聞き、これからは仕事とこの“介護”との両立も非常に大変なことになってくるのだろうなと思った。
このうちの一人は年明けに子供さんの中学入試も控えており、本当に体がいくつあっても足りないという毎日であろうし、まさに”子育て”と”介護”をダブルで抱え、当面の間、そういう毎日を送ることになるのであろう。
私は施設に入っている母のことは気にはなるが、周りの人から比べると手を差し伸べないといけないという状況ではないし、施設とのやり取りは兄が仕切っていてくれているので、負担感はさほどないというのが現状である。
共働きの若い世代の夫婦が子育てしながらも続けられる職場というのがよく話題になっているが、これからの時代、介護をしながら仕事も続けられる職場というのが魅力ある職場になってくるのかもしれない。
法的には介護休暇は保障されてはいるが、私の周りではこの制度を使った人をほとんど見たことがない。しかし、これから職場選びをする上ではこの介護休暇の取得のしやすさも重要なポイントになってくるのかもしれない。
当然 休暇を取得する権利があるが、こういった規則に掲げられているだけでなく、本当に必要な人が利用した実績が積み上げられることが重要である。
これからの時代、誰しもが取り得る当たり前の休暇になるような時代になることが、日本の長寿社会を支えることにつながっていくように思うし、私もいつかは介護をしてもらわないといけなくなる日がくるので、他人事ではないのである。
よく「子供や親族の世話にはならない」とみなさん口にされるが、そうはいかないのが今の日本の現状であることは誰しもが実感していることであろう。最後は施設に入って、そこで世話になったとしても・・。