テレビでもスポーツ番組は時々 中継されてはいるがなぜか気持ちの盛り上がりがなく、ほとんど見ていないというのが実情である。
今年は高校野球は春・夏ともに甲子園での全国大会は中止で、高校野球ファンの私にとっては何とも寂しい年であったし、来年(2021年)も開催されるのかどうかは分からないが、プロ野球も観客数に制限を加えて開催されていることから考えると、同じような形で実施されるのではというのが今の時点で予測されることであろう。
一応、来春の選抜が開催されることを想定し、高校野球も来春の選抜の出場をかけた各地区での秋季大会がほぼ終わろうとしているが、その中で久しぶりに目を引く話題が飛び込んできた。
それは 九州大会でなんと離島の公立高校が各県の私立の強豪校を撃破し、優勝したという何とも信じがたいニュースである。
この高校は長崎県西海市の大島にある大崎高校という長崎県立の高校である。
この大島という島は人口4900人余の島で、この大崎高校も全校生徒数118人という高校では“ミニ”の分類に入る少ない生徒数である。
こんな話題性のある高校であれば、長崎県内で3、4番手に入れば、選抜では「21世紀枠」での出場の可能性もあったと思うが、九州8県の頂点に輝いたということで、選抜出場は確実で、正に実力で勝ち取った誇れる話である。
昨今の高校野球と言えば、大阪桐蔭、履正社、智辯和歌山、花巻東、東邦等 頭に浮かぶのが私学ばかりで、公立と言えば昨年の金足農業(秋田県)くらいのもの。いわゆる私立強豪校のオンパレードである。
高野連やマスコミは、「公立」、「地方」、「文武両道」が大好きなので、これから春にかけてこの大崎高校はいろいろなところで取り上げられると思われる。
ところでなぜ、こんな離島の高校が強くなったのかといろいろ調べてみると、どうやら指導者(監督)が長崎県の中でも有名な優勝、甲子園請負人的な人物であり、この監督を慕って、野球で実績のある生徒が集まってきたようである。
この監督についてさらに調べていくと、過去には謹慎処分を受けたことも記されていたが、ここではネタ探しに躍起のなっているどこかのマスコミのようなことはせずに心から祝福することにしよう。
私自身、分野を問わずあらゆるスポーツが好きであるが、自分自身が選手時代もそうであったように、練習のプロセスと結果のどちらにもドラマ性があり、いい結果がでればこの上ない喜びとなるが、仮にいい結果が出なかったとしてもスポーツをしたことのある人は、「やったこと」に満足し、「やらなかったらよかった」と思う人はまずいないと思う。
冒頭でも述べたが、コロナが感染しだしてからはなかなかスポーツに触れる機会がないが、こういう状況下になればなるほど、スポーツの意義をあらためて感じてしまうというのは何とも歯がゆい限りである。
スポーツのことになるとついついのめり込んでしまうが、ここでスポーツの話題をとり上げるのも久しぶりであり、少し血が騒いでしまった。
最後にお正月の風物詩となった箱根駅伝の話題を少しだけ・・。
昨年12月8日に ここのNo659で山梨学院と上田誠仁監督に対する私の想いを綴ったが、その山梨学院が予選会を何とか通過し、2年ぶりにお正月の本選出場できることになった。
スポーツは人それぞれに楽しみ方があると思うが、目の前のプレーだけでなく、こういった選手や監督、そしてチームの軌跡を押さえながら観ることで より一層深い感動を与えてくれる。
来年の東京オリンピックの開催は個人的には厳しいと思うし、無理して開催することは避けなければならないと思っているが、これまた最終結論が出るまでにいろいろな駆け引きがあると思うし、この綱引きのような過程をしっかりと見ておくこともスポーツマン(一応自負している)にとっては大切なことであると思っている。
この歳になってスポーツに惹かれる理由、それは感動することだけではなく、単純に「仕事を忘れられる時間」であるからであろう。
これって純粋でないかもしれないけど、大事な理由ですよね。