2020年11月01日

No704:リニアは本当に開通できるのか

 JR東海はリニア中央新幹線(東京・品川〜名古屋)の2027年開通を目指して工事を進めているが、ここへきてその予定に暗雲が垂れ込めだしてきている。
 というのもみなさんもマスコミの報道で耳にされていることかと思うが、静岡県内の工事区間での水(水系)問題の浮上である。
 これは静岡県北部の南アルプスを貫通するリニアトンネル工事によって、大井川の水量が減少し、静岡県内の地域住民の生活に大きな影響を及ぼすというものである。
 こういった自然環境への影響は工事が完了し、使用が始まると 後では元に戻れない大きな問題なので避けては通れないし、早急に結論を出したり、妥協する問題ではないことはよくわかる。

 この水問題の重要性は十分認識した上で、鉄道マニアである私としては不謹慎を承知で、鉄道網と利便性、それに鉄道による地域経済へ及ぼす影響という、今 問題となっている自然環境と違う論点から、このリニア問題を捉えてみたい。
 まず、この東京・名古屋間全行程285qのうち静岡県は8.9qしか通らない、というか、かすらないというルートである点と、リニアの予定駅は東京・名古屋の間では神奈川県、山梨県、岐阜県に駅が設置され、通過県では唯一 静岡県には駅ができる予定がないということである。
 つまり、静岡県にとっては何らメリットがないというか、トンネルだけが通って、恩恵を受けるものは何一つないというのが現段階での話であり、川勝知事の本心のように受けとることもできる。
 ただ、計画といっても今後検討していくものではなく、既に工事も始まっているので決定事項であり、これが最終的なリニアと静岡県の関わりの終着点である。
 大井川の水問題が重要であることはあらためて認識した上ではあるが、本当に静岡県はいろいろな意味において置き去りにされていると言ってもいいような状況がいくつも見てとれる。特に鉄道を含む交通に関しては。
 実は私は小さい頃から静岡県がお気に入りの県で、一定の都会的な要素もあり、かつ、自然も豊かで、富士山、浜名湖、静岡の日本平、熱海温泉など観光地も多く、旅行でも何度も訪れたことのある所である。
 それになんといっても雪国育ちの私にとっては温暖な気候は憧れであり、小さい頃は近畿の和歌山とともに一度住んでみたいと思っていた県でもある。
 ただ、鉄道という観点から捉えると東海道新幹線が通過する県としては一番長い距離を走っているし、駅も17駅のうち6駅も占めているのに“のぞみ”の停まらない県でもある。新幹線に乗って東京に行くのも、新大阪に行くのも“ひかり”か“こだま”に乗らないといけない。
 また、飛行機の方に目を向けても静岡空港が2010年に開港したが、私の周りには静岡空港を利用したことのある人は一人もいない。
 こういったことからも静岡県は東京と名古屋・大阪に挟まれていながらも交通網 不遇の県といってもおかしくないような、冷遇扱いをされている県であることには間違いない。
 静岡県 あるいは 川勝知事にとっては冒頭の水問題が重要課題であるが、心のどこかにこのような交通冷遇県の扱いを受けてきたことへの仕打ちをここぞとばかり、反抗という形で打って出てきているという見方も一部のマスコミでは取り上げられている。

 いずれにしても9兆円という規模のとてつもなく大きなプロジェクトで、ここまでもかなりの多額の資金がつぎ込まれていると思うので、計画の途中挫折(中断)はあっては困るし今度どうなるか注視していきたいものである。
*前回(No703)の数字の捉え方をすると 9兆円=1,000億円×90 ということになる。

 余談であるがこのリニアの名古屋・新大阪間のルートでは京都市は通らず京田辺市の松井山手周辺に駅の設置が予定されているらしいし、北陸新幹線 敦賀・大阪間も今の京都駅付近は通らないという計画もあるが、その時、京都市や京都府がどのような対応に出るのかも見ておきたいものである。
 ただ、リニアの名古屋・新大阪間は2037年、北陸新幹線の敦賀・大阪間は2046年の開通予定とのことなので、果たしてその時、この世にいるのか? はたまた、乗れる体なのか そんなことを考えながら今日の話をおしまいにします。
posted by ヒロイ at 21:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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