2019年02月03日

No614:開業当時のことを思い出させてくれた古い通帳

 先日、仕事を終えて家に帰ると、食卓の片隅に輪ゴムで止めた古い通帳が20冊近く置かれていた。
日頃通帳を手にしない私でも、その通帳を見るなり それが廣井事務所のメイン口座の通帳であることはすぐにわかった。
 現金や預金の入出金の管理は、開業以来 素人ながらも一応経理を預かるカミさんの仕事であり、私は取引が会計データとして入力されたものを入金はもとより、大きな出金や残高の確認のためにパソコンの画面で目を通し、資金の動きを把握している。
 実は、この通帳以外にも前の勤務先から給料が振り込まれ、今でも住宅ローンが引き落とされている いわゆるプライベート口座で、今では見かけないような古い図柄の通帳も何冊か置かれていた。
 私が夕食を食べ終わってホッと一息ついていると、同じ部屋にいたカミさんが、『通帳の数が増えてくると置場もなくなってくるので、もし、保管せずに処分していいのだったら教えて? どれくらい古いものまで置いとかんとあかんのやろ。』とこちらを向いて、通帳が食卓に積まれている理由を説明してくれた。
 平日は仕事が終わって家に帰ってから古い通帳を見る気にもなれず、事務所の休みの日に通帳の中を確認し、残すものと廃棄するものに区分していった。
 この中には事務所開業当時の平成19年(2007年)夏に開設した事務所のメイン口座の通帳があったので、懐かしい思いでこの通帳を開けると、何ともヒヤヒヤ・ドキドキするような数字がたくさん並んでおり、思わず食い入るようにその通帳の数字を目で追っていた。
 通帳には、「〇○さん給与」、「〇○医院(最初は顧問料を個別に振り込んでもらっていた)」、「アスクル ロッカー代」、「コピー機リース料」、「封筒・名刺代」、「HP作成料」、「借入」、「家より補填」等、カミさんが鉛筆で書きこんだものがそのまま残っており、その後のページを見ると、年末には給与と賞与が払えず、また「借入」が必要となった11年前の開業当時のことがいろいろと思い出された。
 社員も2人であとは私とカミさんの計4人で全業務をこなしていた、というよりまだまだ仕事が少なく余力があったのを覚えている。
 初めてパートを採用する時には、給与払っていけるのかなと、今も在籍しているO君と時間をかけて検討したのも ついこの間のように思い出された。

 その後、少しずつではあるがいろいろな方からの紹介で顧問先が増えていったが、当時は毎晩寝るときに目を閉じて、新しく顧問先になっていただいた方の名前を呪文のように唱えながら眠りにつくという妙な習慣ができていた。新顧問先1件目からはじまって、その後 20件目くらいまでは、顧問契約を締結した順にその院長や経営者の顔を毎晩思い浮かべながら、この呪文を繰り返しながら眠りについていた。
 昨日、たまたま郵便物に切手を貼るために事務所の切手BOXの中を見ると、大きさの揃った切手がきれいに保管されていたが、開業当初は、カミさんが金券ショップで1円でも安い切手を買ってくるので、どちらかというと大きさが不揃いな記念切手ばかりで、今から思えば何とも格好の悪い 切手だらけの郵便物をだしていたなと思わず頭に手をやって当時のことを懐かしんだ。

 決して 今心配がなくなっているわけではないが、11年前のこの気持ちを段々忘れかけてきているのも事実であったので、カミさんから頼まれた古い通帳の整理は、私にとっては結構 意味のある、心にずしんとくる作業であった。
 整理が終わって、積まれた通帳を眺めていると古い通帳が私に向かって、「初心忘れべからず」、「ええ気になるなよ」とつぶやいているような気にもなった。
 そんなことで、古い通帳の置場として場所の確保は必要であるが、決して置いておく所が全くないわけではないのでもう少し置いておくことにした。

 今回は人からのアドバイスではなく、通帳からアドバイスと叱咤激励を受けたという貴重な体験であった。
posted by ヒロイ at 16:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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