2018年12月16日

No606:「あの人の力になってあげたい」と思わせる社長

 今から2年程前のことだが、非常に業績のよい京都府外の会社の経営者で私共の顧問先であるKさんから、京都市内に不動産を持ちたいのでいろいろと相談したり、物件を探してくれる仲介業者を紹介してほしいと依頼があった。
 私は今まで顧問先の方から、家を建てる土地を探してほしいとか、今住んでいるマンションを売りたい というような相談があった時に紹介していた□□社(大手ではない不動産業者)のT社長のことが真っ先に頭に浮かんだので冒頭で取り上げたKさんに紹介した。
 Kさんは仕事の関係上、日曜日しか京都に来れないが、この不動産屋のT社長は事前に物件情報を細かく調べ上げ、Kさんが京都に来られた日は、何ヶ所かの別件を丁寧に説明しながらいっしょに回ってくれたとのことであった。
 最終的には、このKさんは他の情報源から手に入れた物件情報をもとにマンション(京都の別宅)を購入されたので、親切に対応して下さったT社長の不動産屋の収益には何ら貢献せずに、京都の別邸購入という目的は達せられた形になった。
 ただ、その後もKさんは賃貸用マンションやハイツの購入など何度かT社長に個別で相談され、情報交換される関係は今なお続いているようであるが、KさんはこのT社長を通しての不動産の売り買いはいまだに一度も成立していないようである。

 先日、このKさんと本業の業績や決算について話をしているなかで、現在、所有している不動産物件の一つを1年以内に売却したいので、今の相場を調べて欲しいと依頼があった。
 私は、『今まで なかなか仲介成立には至ってないが、例のT社長に声をかけてみますね。』と言ったところ、Kさんは『是非とも、不動産屋のTさんにお願いしてみてください。何とかしてあの人を通して売りたいんですよ。あの人、本当に親切でめっちゃいい人でしょ。ああいう人と仕事ができ、何とか力になれたらとずっと思っているんですよ。』と、私に訴えてこられ、私は、『分かりました。』とだけ口にしてうなずいた。
 売れる人とそうでない人の違い、できる営業マンとそうでない人の違い、「あっ、これか!」 と私はこの時、“商売のコツ”のようなものを瞬時に感じとることができた。
 この話、Kさんとの些細な会話ではあるが、『めちゃいい人でしょ。・・・・何とか力になれたらと・・』 と この思い抱かせることこそ大切であり、この見えない力こそ、仕事をする上で最も必要とされるものなんだなと妙に納得してしまった。

 以前に、住宅メーカーでかなり上まで昇りつめていった大学時代の同級生と何年かぶりに食事をした時、これと同じような気持ちになったのを思い出した。
 確かに学生時代はいっしょにやんちゃなこともたくさんしたが、この久しぶりにあった時の食事の仕方や注文の仕方、そして支払いが終わって帰る時までの対応について、同級生ながらも最後まですごくいい印象を持ったまま別れたのを思い出した。
 できる奴(人)とは、また会いたくなり、そして いっしょに仕事をして、力になってあげたくなる人なんだな勝手に“できる奴”像を描いたりもしてみた。

 Kさんが社長に対して抱いた「あの人のために」 と思わせるまでになって初めて、その道の達人といえるのであろう。
 自分に何が足りなくて、どういったことが出過ぎているのかを考えさせられたというだけでも、意味のあった今回のKさんとの打合せであった。
posted by ヒロイ at 14:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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