2018年09月02日

No591:母の笑顔

 今日は実家のある与謝野町の福祉施設に行ってきた。
 私が医療機関や福祉施設といえば仕事かなと思う方もあるかもしれないが、今日は近くに何件かある顧問先には立ち寄らず母に会いに行ってきた。
 母が入所している福祉施設の「家族会&夏まつり」が開催されるということで、一昨年は姉、昨年は兄が参加していたので、今回は私が行ってみようと思い参加してきた。
 施設の職員の方が総出で模擬店を出されており、チケットを買ってうどん、山菜おこわ、たこ焼き、クレープ等を食べながら、生演奏と地元出身の女子大学生の歌を聞き、最後には福引まで用意されていた。ちなみに模擬店のたこ焼きはこの医療法人の理事長が焼いておられたので、私が 「先生が焼かれたたこ焼きは高そうで、1個100円くらいしそうですね」と話しかけると、苦笑いしながら焼きあがったたこ焼きをトレイに載せておられた。
 生演奏をバックに女子大生が歌う歌もさすが老人の喜びそうな曲のオンパレードであった。 「瀬戸の花嫁」、「高校三年生」、「見上げてごらん夜の星を」、「上を向いて歩こう」、「ふるさと」等々・・・。

 我々の世代にとって親の老後のことは避けて通れない問題で、私の実家の母も一人暮らしだったのでいつまで自分のことを自分でできるのかということを考えた結果、限界が近づいていたのでこの施設にお世話になった。
 この施設に入って確か3年近くになるが、体調は比較的安定しており、手を引きながらであれば杖なしで歩くこともできるし、施設の方の話によると食事もほとんど残すことなく食べきるようだ。
 私自身が若かった頃は当然 親も若かったので親の死や介護なんて考えたこともなかったが、今から15年程前から父が病気をして入退院を繰り返し、それを母が世話をしているのを見ていて、「これは大変なことだな」と思った。しかし、本当に大変なのは今から7、8年近く前、世話をする側の母が70代後半になってからであった。
 その後 父が5年前に亡くなり、その後しばらくは母が一人で暮らしていたが、日常の自分の身の回りのことがままならなくなり、施設への入所となった。

 今では私との意思疎通が問題なくできるという状況ではないが、手を引いたり、背中をさすったりすると時折 ニコッして私の顔を覗き込むのように見ていた。そのしぐさを見て、来た側の私の一人よがりかもしれないが、来てよかったと とてもきうれしい気持ちになった 。
 帰り際に施設の方から、『廣井さん(母)は、普段はそれほど表情を表に出されないけど、今日はいつになくうれしそうで、終始にこやかでしたね。』と、私に対しての気遣いの意味が込められていたにせよ そうおっしゃっていただいて、なんだか胸が熱くなった。

 『増生、元気にしてるか? 仕事ばっかりしとったらあかんで。体壊すで・・・。』とよく電話をしてきていた頃の母には戻れそうにはないが、こうして顔を見ることは母を看に行ってあげるという一種の上からのものの見方だけでなく、私自身の心が洗われる妙な気持ちになってしまう。
 正直、今日はしておきたい仕事を後回しにして母の所に行ってきたが、こういうことは損得勘定ぬきで私の空っぽの心の中に母だけが飛び込んできて、ここしばらく味わったことのない充実感で心の中が満たされた一日であった。
 こんなわけで帰りの車の運転2時間は全く苦にならず、今日の母の表情を思い浮かべながら家に帰ってきた。
posted by ヒロイ at 23:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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