そんな状態なので休日にカミさんが用事があって出て行った後、私一人が家に残っているときは、いつ帰ってくるんだと言わんばかりにリビングのドアの方へ行ったり来たりして落ち着かない様子である。
「私が居るのに」といくら私が心の中で呟こうとも私にはあまり関心を寄せてこないが多かった。
それがあることがきっかけで様子が変わってきたのを見ると、うちのポポタンも結構 繊細な一面も持っているなと思うこともある。
長女が2歳と5カ月の子供2人を連れて我が家に数日間 来ることがあり、娘(長女)は上の子、カミさんは下の子にかかりっきりで、ポポタンは朝夕の散歩以外はあまり構ってもらえず 部屋の隅っこでゴロンと休んでいることが多く、その様子は私には拗ねているようさえ見えてしまう。
また赤ん坊の泣き声がうるさい時もその大きな声から逃れようと隣の部屋の端の方へ避難している。
わんちゃんなので不満も言えず おとなしくしているが、こういう状況の時に私が仕事から帰ってくると今までは私にはあまり関心を寄せてこなかったポポタンが のこのこと私の足元まで忍び寄ってきて顔を覗き込んでくる。
その表情はまるで「家の中に人が大勢いる時は私はほったらかし」と言っているようで、私は「とうちゃんがいるからな」と言いながら撫でてやると何とも嬉しそうする。普段(平時)にはあれほど関心を寄せないくせして 「こんな時だけかよ」なんて言いつつも私にとっては何とも「かわいいやっちゃな」という感じである。
こういった様子を見ていると 何気なくいっしょに暮らしていながら、わんちゃんも いろんなことに対して敏感なんだなと思ってしまうし、人間なら言葉で自分の気持ちを表現できるが、わんちゃんはそれができない分余計に態度で表してくる。
これって動物だけでなく、赤ん坊も似たとこがあって、何かいやなことがあるとすぐに態度に表してきて、私が雑誌を見たり、スマホをいじりながら抱いていると必ずと言っていいほどぐずってくるが、何も持たずに立ってあやすと さっきまで泣いていたのがピタッと泣き止むからこれまた不思議なものである。
この周りの行動を見たり、何気ないこちらの状況を感じとられているというのは、大人の世界とは違ってとても新鮮であるが、これって わんちゃんや赤ん坊はある意味 素直な気持ちをそのまま純粋に行動に移しているだけなのかもしれない。
日々のビジネスシーンでは経験することのない こういったとりとめのない日常って、多少は自由を束縛されることがあってもそれほどいやにならないからなんとも不思議なものである。
そりゃ子育て真っ最中の親であればこんな悠長なことは言ってられないだろうし、毎日が必死なのであろうが、私のような立場であればこれほど新鮮な気持ちで接しられるんだと自分の変わりように驚くこともある。
今日は時間に追われるような毎日を送っている者が、わずかな時間とはいえ、違う世界に身を置くことでホッと一息ついている日常を紹介させてもらった。
そう考えると今日のようなことと綴ることで、仕事で抱え込んだストレスを吹き飛ばす効果も大いにあるような気がする。
ただ、このお世話が毎日だとこんな気持ちにはなれないだろうけど・・。