2024年12月01日

No.908:京都は日本人にとって近づきにくいまちになったのか?

 昨日 地元紙の朝刊に“京のホテル価格 一段と上昇”という気になる記事の中に下記のようなことが書かれていた。
・駅前 1人用客室が1泊素泊まりで3万円に迫る
・カプセルホテルでも1万6千円を上回る
 「これってどういうこと?」と思ったが、急増するインバウンド(訪日客)だけでなく、人件費や原価高も影響しているということで、今や京都は日本人が手軽に行ける観光地でなくなってきているという現実がある。
 ホテル側にとっては客室稼働率が90%に近づき、しかも高価格帯で、ということであれば経営的に見てありがたい話であろうが、昨年の秋、関東に住む知人が京都へ来て、久しぶりに会った時に「ホテルがとりにくいだけでなく、(宿泊代が)めちゃ高くなっていたので驚いた」と嘆いていたが、それから1年後の今秋、その傾向には一段と拍車がかかってきている状況のようである。

 今年は暑い秋が長く続いたので紅葉の色づきも10日程遅れ、今が見ごろのようであるが、京都に入ってきたり、市内を走る車も確かに多いが今までの紅葉や桜の季節の京都ならではの一番の季節にしては“めちゃ混み”というような大渋滞は一部の観光地だけで、街中の主要道路は普通の休日より少し多めか? というくらいの込み具合である。
 それもそのはずデータに目をやると、今年の10月の速報値では、
 外国人観光客は前年同月比で30%増の65万人、日本人は12%減の33万人で宿泊客の65%が外国人という、まさに国内観光客が減り続けているということで、データから見ても 車でやってくる日本人観光客が少ないのもうなづける。
 でもこれって観光がビジネスである以上、儲かる方へシフトするということはやむを得ないにしろ、こういったことは強制的に入国制限や京都市を訪れる外国人観光客を規制でもしなければどうすることもできず、どちらかいうと行政が掲げていたインバウンド大歓迎という施策にピタッとはまっていっているともいえる状況なのであろう。
 京都が国際都市になるにはこういった現象は当然のことなのかもしれないが、日本人にそっぽを向かれる街になるのは少し寂しい感じがする。
 確かに泊まるだけで3万も5万も、家族連れであれば10万近く準備しないともはや京都には泊まれないということである。
 確かに日本人の家族連れや修学旅行を含む団体旅行にお目にかかる機会はめっきり減ったと感じていたが、今回の報告記事を見て頷くしかなかった。
 こういった現象を見ていると日本人は安上がりで身近なところで旅を楽しむしかなく、こんなところも我が国の経済が好況ということを肌で感じることができにくくなっている要因かもしれない。

 京都は日本人にとって特別な所で、
 「そうだ京都へ行こう!!」という東京駅のポスターや50代以上の人なら一度は聞いたことがある「なのにあなたは京都へゆくの、京都のまちはそれほどいいの・・」というチェリッシュの歌が今や懐かしい響きになって頭をよぎってしまう。
 さあ、1年後、5年後、10年後の京都はどんな街になっているのでしょうかね? 何か先のことは想像すらできない時代になってきているという感じがするのは私だけなのでしょうか?
posted by ヒロイ at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする