2024年07月28日

No.891:最低賃金アップの議論から感じたこと

 今年も秋に最低賃金のアップが予定されており、昨年と比べてどの都道府県もほぼ50円アップが見込まれている。
 京都は現在1,008円なので1,060円近くになるのであろうが、当事務所の顧問先は上場企業はもちろんのこと、名の知れ渡っているような事業所もないので、この人件費アップを吸収できる体力のある事業所は限られている。
 最低賃金は法律で決められているのでこれを守らないわけにはいかないし、他の事業所との比較で見劣りするといい人材も集まりにくくなってきているのも事実であるので、この最低賃金のアップというのは中小企業の経営者のとっては最大の関心事であり悩みの種である。
 ここでとり上げられている最低賃金というのは時給のことであるが、これに伴って月給で働く正社員の給与水準も確実に上がってきている。
 顧問先を訪問しても給与水準が上がってきているということは、経営に直接響いてくるのでどの経営者もすごく敏感で、中にはどこにもぶつけられない不満を我々税理士事務所にぶつけてこられる方もいらっしゃる。
 とは言っても我々が最低賃金を決めているわけではないので、あくまで不満や愚痴のはけ口として思っていることを口にされたのを聞くことぐらいしかできない。

 顧問先は京都市以外では東京、大阪、神戸、それに福岡と 都市部にも数件あり、その都市近郊ではある程度の景気のいい波を受けているところもあるが、都市部であっても医療機関であれば自由に値上げができるわけではなく、診療報酬という決まった収入構造の中での経営であるので結構きついものがある。
 ただ、不満を言うのは気分的にはスッキリするかもしれないが、大した解決にはならないので、やはりこういった経費の増加にいかに対処し、どんな面で無駄を省くかということを金額的には些細なことであっても考えていかないといけないが、出だけでなく入り、つまり最終的にはいかにして売上(収入)を確保していくかを常日頃から考えていくしかない。
 この場で変な発言をすると、面と向かって口にはされないが「税理士さんって決まったものが入ってくるからいいですよね」と思われる方もあるだろうし、実際にそれに近いことを言われたことがないわけではない。

 今回の最低賃金の話に戻して考えてみると、気に入ろうが入ろまいが国が決めたこの金額には抵抗できないわけであるから、限られた経費の中でいかにしていい人をとるかを考えるしかないのであろう。
 比較的 売上が落ち込まずにいる事業所の経営者は、「今まで人件費は一般の経費とは違うという認識でいたが、最近の人手不足や賃上げの状況を考えると、人件費という特別なものでなく、事業所を運営する上での必要経費であるという言い方をされる方もあるし、ある業績のいい事業所の経営者は、人件費のことを「売上を稼いでくれるための必要経費」という言い方をされる。
 私は人件費を一般の経費といっしょにみるようなことはできないが、確かに売上アップに寄与しているのは経営者だけではないことは常々感じているし、経営者だけでできることって限られたことである。
 そういう意味では最低賃金のアップとどう向き合うか、まさに経営者の経営センスと度量の見せ所である。
 こんな勝手なことを言っていると、明日から「払えんもんは払えんで」とお叱りを受けるかもしれないが、現在 避けて通れないくらい厳しい求人・雇用環境であることは事実であるので、それに対して正面突破とはいかなくとも ある程度現実と向き合いながら各事業所の考え方で対処していくしかないのであろう。
 それにしてもこの最低賃金のアップが毎年秋の恒例行事になってきているが、払う側だけでなく給与を受け取る働く人の生活が改善されているようには思えないところに我が国の苦悩がある。
 事務所のスタッフには正面切って言えないが、私だってこのことで悩んでいる一人であることには間違いない。
 過去に受けた研修で大きな企業の経営者が「人は経費がかかるものと捉えるのではなく、資産と思うようにならないとダメ」と言われたことを覚えているが、私自身その域には達していないので、まだまだ経営者としては半人前なのでしょう。
 どの顧問先にとっても今や“人”って最大の課題ですよね。
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2024年07月21日

No.890:暑い夏がやってきた

 一年毎に段々と夏が暑くなってきているような気がするが気のせいなのだろうか。
 仕事で外出する機会が多いので夏の暑さは身体に堪えるが、私は実は密かに夏は好きな季節なんです。
 今どきの子供たちは夏休みが始まると同時に塾の夏期講習がスタートし、勉強の夏も始まるようだが、私が子供の頃はただひたすら遊ぶための夏休みだったように思う。
 小学校低学年の頃は、最後の数日間 とは言っても実質は8月28日くらいから2、3日だけで7月20日以降のカレンダーを見て1カ月前のことを思い出しながら絵日記をまとめて書いたこもあったし、せみ取り、魚とり、海水浴、そして近くの公園で野球、後はいくつかの夏祭りと楽しいことずくめだったので、大人になってからもその頃のことが頭に染み込んでいるからなのか、暑い夏がやってくると自然と気分が解放的になる。
 少年野球を始めた小学6年から中学3年までの4年間は野球、高校1年から大学4年までの7年間は陸上と 夏休みはほとんどをクラブ活動につぎ込んでいたので本格的に運動をしだしてからはなかなか自由な時間はなかったが、厳しいながらも今から思えばこれはこれで結構楽しい時間であった。

 若い頃にはこんな経験しかないので、夏=解放的=楽しい ということでどんなに暑くても 夏と聞くだけでついついワクワしてしまう。
 また30代半ばからは、これに甲子園での高校野球観戦という楽しみを得たので、スポーツを “する” のではなく “観る”楽しみの方へ変わっていき、これも年に一回の夏ならではの楽しみである。
 高校野球は春には選抜もあるが、実は春の甲子園には今まで2回しか行ったことがない。やはり甲子園は夏 というのが私の体に染みついているからなのであろうか。
 とは言っても明日からは暑さの中で外出し へばってしまうかもしれないが、今年の夏は甲子園以外にパリオリンピックも加わるのでこれから1カ月はスポーツの力も借りながら 夏を乗り切っていきたいと思っている。

 昨日は相続の仕事でのヤマ場である親族が集まっての遺産分割の話し合い、今日は大阪でクリニックの新規開業前のスタッフ採用面談となかなか中身の濃い2日間であったが、夕方前には家に帰ってきたので今 身体を冷やしているところである。
 やっと梅雨が明けたのでいよいよ夏本番であるが、避けたい夏ではなく、楽しむ夏としたいものである。
 とはいっても明日からとんでもない暑さになるんでしょうね。ちょっと怖いですが。

 今日は「雑感:夏への想い」 お付き合いいただきありがとうございます。
posted by ヒロイ at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月15日

No.889:覚えていますか ? コロナの真っただ中だった頃のことを

 事務所は今日まで3連休であるが どこかへ出かける予定もないので、やり残した仕事に少しだけ手を付けてきりをつけた後、所狭しと積み上げられた書類の入ったファイルの整理をしていると何とも懐かしい資料が目に飛び込んできた。
 中を開けるとそのファイルに入っている書類には皆様も見覚えのある次のようなことが書かれていた(一部抜粋) 。

○京都府を含む13の都道府県は「特別警戒都道府県」として、継続して外出の自粛が求められています(2020/05/06)
○事務所への出社はシフト制とし、出社日以外は在宅勤務で、基本的には週2〜3日の出社予定・・・・
○申告所得税の期限は延長され令和2年4月16日[通常は3月16日(月)]
○小学校休業等対応補助金、雇用調整助成金の申請ができる
○コロナの影響を一定以上受けた場合、無担保、無利息で融資が受けられる
○2021年1月14日〜2月7日まで京都府、大阪府、兵庫県に緊急事態宣言が発出
○来客時の対応はマスク着用、飲み物の提供は自粛
○直接 対面の打ち合わせは避け、テレビ(Web)会議の推進を
○資料のやり取りは面談形式ではなく郵送またはメールで
○売上が50%以上減少している場合には固定資産税は全額免除
○売上(収入)50%以上減少した場合、法人は200万円、個人事業主は100万円の現金給付
○(税理士協同組合からのチラシ) 図書の販売・・対面販売の中止
 その他・・・・・

 その頃は上記以外に飲食店を中心に営業停止に追い込まれ、事務所の近くの京都ブライトンホテルも【休館中】の看板が玄関前に置かれひっそりとした状態が続いていた。
 スポーツの方では無観客試合もあったし、この年の高校野球・甲子園とインターハイは中止に追い込まれた。
 またスポーツの世界では、実は今の状態になる前 しばらくの間 声だし応募禁止というのもあった。

 ファイルの中の書類を整理して廃棄しようとしただけなのにそこに書かれていものは今となっては何とも懐かしい内容ばかりであり、こんな記事が次から次へと目に飛び込んできたので、サッと捨てるわけにはいかず廃棄作業の途中でついつい読み入ってしまった。
 今思うと二度と訪れて欲しくない暗く重い “暗黒”と言っていいような期間であったが、よくぞここまで世の中が回復したなと少しだけ感慨深くなったりもした。
 あれから4年。コロナを含め各種感染症の心配がなくなったわけではないが、このコロナを経て我々の住む世界も随分と変化した。
 日本国民だけでなく、世界中の人たちにとって言葉には言い表せないほど大変であったが、今の状態に慣れてくると段々 ”コロナ後”なんていう言い方はしなくなるのであろう。
 今やコロナから4年が経過し大きく変わりつつある状況の中で、日々の生活や仕事をする上では何とかこの変化に乗り遅れないようにしないといけないし、そのためには今まで以上に労力だけでなく気力も必要となってきている。
 コロナがなければ10年〜15年の間に起こるべき変化が この3、4年で起こった感じがするし、これは皆さんも一様に感じていることであろう。
 何度も繰り返すが、世の中は今までにないスピードで動いていることだけは間違いない。

 コロナに関する書類をサッと捨てられなかった私の気持ち 少しだけでもわかってもらえたらと思って長々と綴ってしまいました。
posted by ヒロイ at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月06日

No.888:ある女医先生からパワーをもらって

 タイトルのNoの後を数字を打ち込んでいると888というなんか縁起の良さそうな数字なのでちょっと喜んだりしてみたが、回数を見て ふとこのコーナーの終止符を打つべき時期は? なんて考えてしまった。
 自分でいうのもなんだが、開業の日がNo1なのであれからよく17年も続いたものである。これも飽きず、呆れずに見て下さる方があってならではのことであるが、私のパソコンで日々の閲覧数を確認するたびにまだ一定の読者がいるんだな思うとなかなか打ち切ることができずにいる。
 正直こうして毎週テーマを考えて綴っていくのが苦痛でないと言えばウソになるが、頭の整理、心の整理、そして一週間を振り返る という点で自分でも結構意味があると思っているし、何よりも私自身のボケ防止になっていることは間違いない。
 野球選手のように「2000本安打まであと〇本」とか、「□□試合出場まであと〇試合」とか世間が騒いでくれるのであれば張りもあるのだろうが、私の場合は「あと〇回」なんていう記録達成の目標があるわけではない。
 ただ、切りのいい数字というと1000回なのであろうが、それにはあと112回、毎週掲げてもあと2年も続けなければならない。先のことまで考えるとしんどくなるので、ひとまずは毎週休まずに掲げることだけを考えて進めていくことにする。
 こんな話になったので開業してからの17年を振り返ってみると 私ってなんて健康なんだろうとあたらめて思った。だって17年間で病気やけがで事務所を休んだのって 私の記憶では1、2回ほどしかないと思う。平日に家で寝ていた記憶って思い浮かばないもの。
 実は今まで高熱で起き上がれないことが1、2度あったが、運がいいのか悪いのかこういう体調不良になるのはお正月やお盆など決まって長期休暇の時で休み明けにはけろりとして出社できているからこのめぐりあわせも不思議なものである。これって運がいいのか悪いのか? まあ、勝手に運がいいっていうことにしておこう。

 ここまで888の数字だけで一人で盛り上がってしまったが、今回はタイトルにもある私に力を与えてくれる 現在 開業支援中の40代前半の女医先生の話なんです。
 この先生には小、中、高の3人のお嬢さんがいらっしゃって、勤務医のご主人が家のことを応援してくれているとおっしゃってはいるが、勤務医、子育て、そして家の用事をしながら開業準備と本当にいつもバイタリティにあふれている。
 私が必要な資料を依頼しても 必ず翌日中にはメールで送られくるし、早い時は夕方お願いしたことがその日の深夜に送られてくることもある。
 先日も「先生って、勤務医、子育て、そして家のこともしながらこの開業の準備、いつ寝てるんですか?」と質問すると、「朝5時前に起きて子供たちのお弁当を作って、子供たちを車で駅まで送ってしまうと後は自分の時間がとれるんです、塾もそれぞれ自分で行ってるし」という返答であった。
 それにしてもすごいパワーであるし、物事についての決断も早く、先日も「きちんと見て比較したりはしているんですが決めたら早いですよ、分からない時はすぐさま人に相談しますしね」とおっしゃった。
 この2週間の間にこの先生との面談の機会が3回あったが、何事も気持ちがいいほど段取りがよく、開業はもう少し先であるが この先生 今から“はやる予感”がしている。
 私は仕事柄、じっくり話を聞いたり、悩みごとの相談を受けることも多いが、どんなことをするのにパワーがないと仕事なんてやっていけないが、この女医先生から知らず知らずのうちにパワーをもらっているような気がする。

 先日 私の前でスマホでの確認事が終わりスマホをテーブルの上に置かれた時、待ち受け画面が着物を着た3人のお嬢様の写真であったので、「ちょっと見せて下さい」と言って見せてもらったが、そのスマホを私の前に差し出されたときの顔は今まで見たことのないような嬉しそうな、そして楽しそうな笑顔であった。
 あっ、この先生のエネルギーの源はこれやな と思わず見入ってしまった。
 仕事をしているとこういう何気ないやり取りから気付かされることも多く、お相撲さんの力水(ちからみず)じゃないけど、人からもらう力って本当にありがたい。自分の力だけではどうしようもないことっていっぱいありますから。

 このコーナー ほとんど日曜日にUPしているが今週は土曜日にできた。本当に久しぶり。
 京都の明日の予想最高気温は36℃のようなので あまり外には出ない方がいいですよね。
 朝のワンちゃんの散歩は5時台かな?
posted by ヒロイ at 15:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする