長期の旅行をする予定でもあれば、真ん中の3日間を休日にすると10連休となり、海外も含めほとんどの場所への旅行が可能となるが、そんな予定のない私にとっては途中の3日間の営業日で少し仕事も進められ、また全体としては結構休みも多く なかなか並びのいいGWという感じである。
休み中とはいえ仕事の話になってしまうが、先日 本当に久方ぶりに顧問先から契約解除の申し出があった。
その顧問先は開業10年近くになる医療機関で、業績は悪いわけではないが もう少し上を目指してもらおうという意味も込めて、私共から考えられる増患対策を提案したり、実行したりしているものもあるが、ここ数年 収入も所得もほぼ横ばいで推移し もう一歩抜きんでられないという状況が続いている。
過去において医療法人化の相談もあったが、現時点ではそれほどメリットがないので個人のままで事業を続けられてきた。
今回、あるコンサルさんに相談された結果、クリニックの移転と医療法人化を提案されたとのことであったが、私は経営数値を見る限り 現時点ではまずはスタッフの雇用の安定化を図りながら、多少新しい分野にも手を広げつつ、一方ではコロナ禍に借りたそれなりの固まった金額の借入金をまずは順調に返していくことが第一優先である と何度か説明をしてきた。
ただ今回の解約の理由を聞くと、私共が経営規模や現状分析の結果を踏まえた 多少のブレーキも効かせながら一歩一歩階段を上がっていくようなアドバイスではなく、結果的には次なるステージを目指して、もっともっとスピード感を持ちながら駆け上がっていくためのアドバイスや後押しが欲しかったのではという気がする。多少の無理があったとしても・・。
今回の話を聞いて、従業員の定着、停滞気味の収入など目の前に早急に解決しないといけない問題も残されているので、正直 今回の決断は多少冒険かなと思わないわけではないが、このドクターにとって私の堅めの考え方だけでは自分の思いが実現しないと思われたのであろう。
実は私が16年前に開業した時にHPの所長のあいさつで “夢の蓄積は正夢になる” と書いていたことを思い出した。
「・・・・・私共は、一人一人異なる夢を抱かれているお客様(顧問先)に対して、それぞれの方々の“夢”や“想い”をお聞きしながら、その実現のためのお力になれればということです。・・・・・一人でも多くの方の“夢”が“正夢”になるように。」
私自身も開業して間もない頃は自分が食べていけるかどうかわからなかった中で、やはり熱い思いや夢を持っていたんだなと当時のことが頭に浮かんできた。
今回 顧問契約が解除された原因は一つだけではないかもしれないが、こちらからのアドバイスではこのドクターの夢を実現しづらくなっていっていたんだな と反省せざるを得ない。
このドクターは電話口で私に対しても10年間の寄り添いながらお付き合いをしていただいたとお礼もきちんとおっしゃった上で、「私の夢であるクリニックの移転と医療法人化をかなえてくれそうなコンサルさんと税理士さんが見つかったんです」と悪びれる様子もなく、普段 おとなしめの方であるのにこの時はこちらにも躍動感が伝わるような声で電話の向こう話されていた。
事務所として10年近いお付き合いの中で、いろいろな相談にも経営指標の分析結果を踏まえた上で回答していたが、もう少しご本人に熱い思いにも耳を傾ける必要があったのではと反省する部分がないわけではない。
ものごとが実現するには、運やまぐれででできるものではなく、目標達成に向けた綿密な構想と誰にも負けないくらいの熱い想いが必要であることは私自身が一番わかっているはずなのにその意が汲めなかったとは少々情けない気もする。
正に “夢の蓄積は正夢になる” と言ってたのは私自身のはずなのに・・。