今日の昼、私が開業する前に勤めていた税理士事務所の創業者であり、長く代表をされていた元所長を囲んでの食事会があった。
食事会といっても参加者は7人で、1ヵ月ほど前に過去に勤務していた時代の私の元上司から、観光のシーズンなのでホテルのレストラン(中華)の個室が最大8人の部屋しか予約ができなかったが是非とも来るようにとお誘いの連絡があった。私が大学を出て新卒で就職し、退職・独立開業までの23年間勤務していた税理士事務所で、私は自分で独立した以外には転職経験はないので、履歴書の職歴欄に書ける唯一の職場である。
元所長は現在90歳で、バリバリだった現役時代を知る者にとっては今日の足取りを見ていると随分 年をとられたなと感じないわけではないが、自宅から一人でタクシーに乗ってホテルの地下にあるお店まで来ることができるくらいなので、まだまだしっかりされていて、今日その姿を見ることができ安心したというのが本音である。
今日の会は私が入社した1985年(昭和60年)前後に在籍されれいた方ばかりで、出席者は70代以上がほとんどで私が最年少であった。
今年38年ぶり2度目の日本一に輝いた阪神タイガースが初めて日本一になったのがちょうどこの年(1985年/昭和60年)で、今日のようなメンバーで顔を合わすと否応なしにも、社会人なりたての当時、「阪神バンザイ、タイガースバンザイ」と叫んでいた頃のことを思い浮かべてしまった。
今から思えばクラブと遊びしかしていないような大学生活からいきなり社会人になり、本当に右も左も分からない者をよく採用してくれたなと思うし、今日同席されている方はそんな何もわからない私に手取り足取り教えてくれた先輩方ばかりであった。
当時の自分を振り返るとよくも39年も同じ仕事が続けられているなと思うと同時に社会人になった後も結構めちゃしていたなと今日のメンバーを見て 若かった頃のことをあらためて思い出した。
食事中も当然のことながら当時の思い出話に花が咲き、ある日残業した後、9時くらいから飲みに行き、遅くなったということで男性5人は家に帰らず、事務所の床に寝て朝まで過ごした時のことも話題に上がった。
今ではセキュリティーの関係でこんな行動はとれないであろうが、翌日最初に出勤した女子社員が仕事場の床に何人もの男が寝ているのを見て、「キャー」と叫んで泣きそうになっていた。そりゃそうでしょう、机の間から何本もの足が出ていたのですから・・。
今日の会は元の職場の先輩が音頭をとって開催され、私はたとえ7番目に呼ばれたとはいえ、声を掛けていただいたことを光栄に感じながら会場を後にした。
この事務所にいた23年の間に結婚もし、3人の子供もでき、家も購入し、社会人としての多くを過ごした期間であった。
とにもかくにも忙しい事務所であったが、社会人としての基礎が固められた職場であったことは間違いなし、同年代も多かったので、仕事帰りによく飲みに行ったが、常に競争意識を持ちながらも 切磋琢磨していたし、今から思えば人生の中でも貴重な時期でもあったように思う。
今日はお昼の会であったので2時過ぎにはお開きになり、同じ方向に家がある今日のメインゲストである元所長といっしょにタクシーに乗って帰ったが、毎日目の前の仕事に追われている中で、以前にいっしょに仕事をしていた人たちと過去のことを思い出話をするのもなかなかいいものであった。
普段ほとんど使わない言葉であるがこういうのをまさに“懐古”というであろう。
国語の授業以外でこんな言葉を使うことってまずないし、もしかして、自ら使うのって初めてかも?
いいですね”懐古”っていう響き。でもそう思うのは年をとった証拠かも。