2023年01月29日

No.816:就任以来 注目していたトヨタの豊田章男社長が交代する

 日本のNo1企業といってもいいトヨタの社長が交代することが発表された。
 実は今回 社長を退任し、会長に就任予定の豊田章男氏が2009年に社長に就任した当時、私はその直後の言動に結構注目したのを覚えている。
 トヨタの前身である豊田自動織機の創業者である豊田佐吉が曽祖父であるという まさに直系中の直系ともいうべき豊田章男氏は俗にいう「○代目のボンボン社長」をイメージしていたが、社長就任当時から2008年にリーマンショックで71年ぶりに連結営業赤字に転落し、その後2010年に世界規模でリコール問題等、火中の栗を拾うような形での社長就任であったのを記憶している。
 その後はトヨタのトップとしてボンボンどころか「トヨタには豊田章男」というまさしくトヨタの顔になり、2022年3月期決算では、営業利益が過去最高となる2兆9000億円で6年ぶりに最高益を塗り替え、国内企業の営業利益としても過去最高となった。
 こんなことを書くと「やっぱり廣井さんって体育会系好きやね」と言われそうかもしれないが、この豊田章男氏は大学時代ホッケーをしており、アジア大会に出場、日本がボイコットしたモスクワオリンピックの候補選手だったということも、体育会出身の私にとっては馴染みやすく思えたことの要因の一つだったのかもしれない。。
 
 私は2007年に事務所を開業して以来 このブログを続けているが、以前このブログで豊田社長のことを書いた記憶があったので 過去に遡って探してみると見つかった。
 この後 張り付けておくが、開業間もない40代であった当時の自分の想いが少し呼び戻され、読んでみると自分の文章ながら結構新鮮に感じた。
 大変長く長くなりますが、お時間のある方は下のNo139もさらりと目を通していただければと思います。

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No139(2010.2.13):トヨタがやばいが、しかし・・・。
 “飛ぶ鳥を落とす勢い”とか“無敵艦隊”といわれたあのトヨタが追い詰められている。
 確かにここ数年のトヨタは凄かった。なんといっても忘れられないのが、あの1兆円の利益の出た2004年3月期決算。正式には前年同期比54.8%増の1兆1,620億円の最終利益となり、仮に実効税率40%で見積もっても4,600億円の税金である。そりゃ、名古屋や豊田市は潤うわと思ったもんだ。
 当時、長女のクラスにお父さんがトヨタに勤める友達がいて、海外旅行はするわ、ボーナスで200万円近くもらった話を聞いてくるわで、私も肩身の狭い思いをした記憶がある。
 私自身もトヨタの車には憧れるが同レベルの車であっても他社よりも少し割高感があり、どうしても手が出ずいまだにトヨタ車を購入したことがない。

 今回の新型プリウスのリコール問題は社会問題、国際問題にまで発展してきている。
 こういった問題(車だけではなく)が起こった時には、今までの企業では隠ぺいや偽装工作が過去に何度も繰り返されてきたし、今回のトヨタの対応も確かにリコールの発表までに数日かかり、社内的にも対応策の決定までに紆余曲折があったことはうかがい知れる。しかし、私は今回のトヨタについては、今まで不祥事を起こした企業とは少し違う捉え方をしている。

 今回のトヨタの対応は社長が恥も外聞も捨て、記者会見や発表の場に積極的に立っている。この豊田社長は久し振りの創業家(豊田家)出身であり、何とも言えない“ふんわり感”のある人で、“剛腕”だった以前の奥田社長とは全く違うタイプではあるが、私は、実に“良い人”に見えて仕方がない。何度かテレビで見ているが、絶対に嘘をつかないタイプに思えてならない。
 これって、能力という尺度では測りにくいが、経営者にとって何よりも大切なことのように思う。
 私はこの人は正直者だと直感的に感じた。世界のトヨタなので豊田社長以外にも優秀な役員がたくさんいるであろうが、トヨタの社員はこのトップの姿を見て感じるものがあるだろう。そういうことからしてもトヨタは、必ず早い段階で蘇ってくるような気がする。
 しかし、今回の問題はやはり社内的に目に見えない気の緩みがあったのも事実であろうし、一歩間違えば、企業にとっては命取りになりかねない事件でもある。

 “栄枯盛衰”、“ 驕れるものは久しからず”というのは世の常であるが、気の緩みに効果のある、ドキッとする発言録を集めてみた。

【稲盛和夫 京セラ名誉会長】
○良いときに良いように生活しておったのでは必ず人間は不幸になって来る。良い時にも常に最悪の事態を考えた生活を、企業の場合でも個人の場合でもしていくべきだ。
○反省のある人生が道を開く

【永守重信 日本電産社長】
○企業が成長するための原則は、品質の良いものを、どこよりも早く安く作り、顧客の満足を得ることである。顧客の声を無視したおごり、謙虚さの不足はいつの日か必ず見捨てられることを、知らねばならない。
○その人にどれだけの能力があるかという前に、どれだけ信頼できるかということが優先する。いくら有能であっても、人を裏切り、苦しみを共に分かち合うことのできない人には仕事は任せられない。信頼の基本は「ごまかさない」「にげない」「やめない」の三つにあると思う。
○目の前に落ちている小さな部品を見つけてさっと拾おうとするか、見過ごしてしまうか、はたまた安い部品だからと踏みつけてしまうか。ちょっとした違いが各人の仕事の成果を、さらにいうならば、組織の明暗を大きく分けることになる。
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2023年01月22日

No.815:ますます難しくなる人の確保

 今 多くの会社・事業所が人出不足に悩んでいる。
 当事務所の顧問先の多くを占めるクリニックは当然のことながら、製造、小売、建築とどの業種をみてもきちっと人が確保できている というところはほとんどない。
 当然、給与水準が高いというのも魅力の一つであるが、中小企業で大企業並みの給与を出すことも、大幅な昇給額(率)とすることもなかなかできないのが現状である。
 ファーストリテイリング(ユニクロ)が、「初任給30万円、給与は最大40%アップ、国内の人件費は約15%増」なんていうのを見て驚いたのは、中小企業ではなくどちらかというと上場企業を含め多くの大手企業であろう。
 新卒にしろ、中途採用にしり、他の大手企業は、「これは普通のアップ率ではうちには人は来ないぞ」と焦ったはずである。
 ユニクロの労働環境については、はた目で見ていて厳しそう という感じはするが給与で大きく差を広げられては、労働環境や働きやすさという観点でいろいろと策を練っても、給与面で比較されるとなかなか振り向いてくれないように思う。
 また、政府が経済界に要請している、5%の賃上げも、「軽々しくうちは無理」なんて言えないのがこの春の賃上げ闘争であろう。

 ただ、どこもかしこもこんな真似ができるのかは疑問である。
 原材料や物価の高騰、人件費の高騰、さらには慢性的な人で不足 とこれからの産業界はかつてない荒波の中での航行を続けないといけないし、自社の利益の確保という点では、「うまくいくかもしれない戦略」ではなく、「必ずうまくいく経営」が必要であるし、まさに経営者の真の腕の見せ所であろう。

 当然、大企業並みとはいかないが、中小企業もある程度は追随せざるを得ない部分は出てくるだろうし、この春の顧問先の昇給の相談は今まで以上に多くなりそうである。
 これだけ物価が上がると、何とかしてあげたいと思うのが経営者であろうが、それを実現できる人、あるいは実行可能な経営状態の顧問先がどれだけあるのか なかなか厳しい現実が目の前にある。
 
 大企業はやはり採用や給与のことがクローズアップされるが、中小企業は採用も当然のことながら大事であるが、いかに辞めさせない職場にするかということ
がそれ以上に大事なような気がする。
 顧問先をみてもやはり人の辞めない事業所は、業績も安定し、次なることへも積極的に取り組めているような気がする。
 相談や悩みが絶えないという顧問先も多いし、こちらでできることがあれば力(知恵)を貸したり、相談に乗ることもたびたびあるが、正直 一番困るというか、これではなかなか解決しないぞと思うのが 従業員に対する愚痴、不満、文句、そして中には怒りをぶちまける経営者である。
 人を大事にできる経営者っていうのは、なかなかそう簡単になれるものでもないし、こういった世の中になってくると、「人を大事に」ということの中に、見劣りしない まあまあの給料が払えるということが今まで以上に重きを置かれてくるのかもしれない。
 ただ、多くの顧問先を見ていて 人が辞める辞めないというのは決して給与の額が最大の要因ではないということを認識しておく必要があるし、そこがまだまだ理解してもらえない、「給与上げたら大丈夫」と思う経営者も結構いるというのも事実である。
 いずれにしても人がいないと経営ってできないですからね、やめない事業所にすることが一番の生き残り策では・・。
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2023年01月15日

No.814:すさまじい大型マンションの建設ラッシュ

 一時 京都市内はホテルの建設・進出が目立ち、空地利用としてのマンションを含む 居住用建物の建設が抑えられているとの報道も多かったし、まだもう少しホテルの新築ラッシュは続くようだが、コロナ禍や東京オリンピック前のような勢いないし、インバウンドもコロナ前にはまだまだ届かない状況が続いているので、数年のうちにこのホテルラッシュは一定の落ち着きを見せてくるのではないかと思われる。
 京都市内の今後のマンション建設を何かのデータに基づき調べたわけでもないので現実的な数値までは分からないが、私の周りでは そこそこの広さの空き地があれば、「ここもまたマンション」というくらいマンションの建設ラッシュが続き、少し流れが変わってきたように思う。
 ただ、マンションの販売価格を見ていると市の中心部でなくても京都市内ともなれば そう簡単に手が出るような金額ではなく、本来のマンション購入層とよばれる30代、40代の人が果たして5,000万円、中には7,000万円もするよう物件の資金が出せるのか疑問に感じる。
 事務所から徒歩2、3分の元ガレージだった場所にも2つのマンションが建設中であるし、自宅から400m南へ行った左京区役所の隣にもマンションが建設中で建築の詳細までは知らないが、敷地面積は左京区役所の倍くらいの広さなので300近い戸数になるのではと想像がつく。
 ちなみにここは もともと郵政の事務局で、古くはかんぽーるという公共の宿泊施設があったところというと、一定以上の年齢の方には場所が分かるかもしれない。
 あと、仕事でよく通る所では、京都市地下鉄東西線の最も東の駅がある六地蔵のイトーヨーカドーの跡地に20階建 総戸数648戸、あと西武大津の跡地にはなんと708戸とけた違いの大きさなマンションを建設中である。
 更にマンション情報を見ているとJR湖西線大津京駅付近に357戸というのも目に入り、今やマンションラッシュというだけでなく、その規模も今までにない状況になってきているように思う。
 
 こんな状況に触れると、「出生率も過去最低を更新し続ける中で、一体どこにそれだけの人がいて、どれだけ入居する家庭があるの」という疑問は私の中では解けそうにもない。
 田舎から都会へとか、旧市街地から郊外へあるいは利便性のいいマンションへ移る傾向はなおも続いているが、日本の人口が決して増えるわけでもないので、その分だけ空き家が増えたり、一定の築年数のマンションが埋まらないという傾向には一層拍車がかかってくるようにも思う。
 誰が問題を引き起こしているのかはもちろん特定できないが、建築会社がある以上は新しいものを作り続けないと成長どころか、現状維持さえできない構造なのでこの流れもやむを得ないのかもしれない。どの建築会社も場所探し、建築、入居者募集の勢いはすごいものである。言っておくが、これは決して建築会社が悪いわけでもないので・・。

 大規模マンションができ、人口が増えるという点では、行政としては喜ばしいことであろうが、学校の教室が足りなかったり、学校そのものが収容可能な生徒数を大きく超えるところも出てくると今から心配されている。
 今の世の中では先人たちが築きあげてきたような、段階的で決して無理し過ぎないような街づくりは不可能なのかもしれない。
 これは時代 あるいは 時間の移り変わりが早すぎることも要因の一つであろう。


 その根底には人口減に端を発している人の奪い合いであり、自治体だけではなく、大学も「全入で定員割れの大学続出」といわれる状況が目の前に迫ってきているという問題も同じように少子化の波をもろに被っているのは周知の事実である。

 ここ数年少子化対策が叫ばれているが、これは国を維持する上で最低限必要なことで、若い人には申し訳ないが、それが将来の財源確保には不可欠でることは誰が見てもわかりきっていることである。
 究極的な見方をすれば、どんな政策よりも優先すべき課題で、国や国民が総力戦で対応していかないと国は衰退し、滅びてくるのではとさえ思えてくる。
 正直、「いまさら何言ってんの? 遅すぎるやん」と言いたいところではあるが、何とかもう少し国に活力を取り戻してほしいと思っている。
 だた、この問題を解決するのはなかなか難しいと思う。別の観点から捉えると人間の尊厳にもかかわってくるし。
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2023年01月08日

No.813:年賀状について思うこと

 “年賀状じまい”という言葉があちこちで聞かれるようになってきている。
 この行為そのものには人によって様々な考えがあるので、私がここで個人的な意見を述べるつもりはないが、これに関していろいろな意見を聞くと 今後 年賀状のやり取りをする上で 考えないといけない点もたくさんあるな思った。

 私(事務所)の仕事用のものは、なかなかお目にかかれていない顧問先の方へのあいさつや 何かとお世話になった方に対してお礼の意味を兼ねて出しているというのが本当のところなので今までどおり出している。
 あと 家用というか、個人として出している年賀状は、一応 受け取られた相手の方にご迷惑にならないのか考えながら出すようにしているが、こればかしは相手様の本心はわからない。
 一年の中でも一番忙しい年末に年賀状の準備に時間をさくのは誰しも避けたいところなので、少しは楽をしたいとか、あるいは年賀状そのものにそれほど意義を感じない人は出さなくなっていくのであろう。
 出さない、出したくない人の気持ちもよくわかるのでこれはこれで各人の自由でいいと思う。
 今後は義務的に出していた人は出さなくなる、つまり“年賀状じまい”ということになるだろし、出したい人は自己満足組も含め 出し続けることになるのであろう。
 確かに中高年も含めたスマホの普及に伴いラインやメールでのやり取りで代用可能という声も聞くし、正月に帰省していた次男なんかは会社の同僚も先輩も住まいの最寄り駅は知っているけど 正式な住所は知らないと言っていたし、古くからの友人とて住所を知らないのであろう。

 年賀状を見て思いを馳せること自体、時代錯誤と言われかねないが、小学校の頃の友人から喪中はがきをもらうと、「遊びに行ったらいつもカルピスを入れてくれたあのおばちゃん 亡くなったのか」と懐かしく思ったし、同級生からの年賀状には、定年を迎えたことや孫と遊んでいること、まだまだ仕事を続ける様子などいろいろなことが書かれていて、同じ年代の生活ぶりを知ることができる。こういった話は参考になるだけでなく、刺激を受けるたり、励まされたりすることもある。
 年賀状は趣味とまでは言わないが、今後はなんだか一種の文化のようになっていくのかもしれない。
 その文化を引き継ぐのも引き継ぎないのも自由なように。

 こんなことを綴りながら、私が小学生だった50年前の光景を思い出したので少し紹介しておく。
 毎年12月になると、父と母は前の年に受け取った年賀状とこれから差し出す新しい年賀はがき、それに新しい筆ぺん2本を用意し、二人で手分けして宛名書きをしていた。裏面は近くの印刷屋さんに頼んでいたので書くのは表だけだったが。
 これって今から思えば年中行事のようなものであったが、人の心だけでなく、こういうことに時間を費やせるという点においても時間の流れも随分変わってきたな と思わざるを得ない。
 10年も経たないが、父が亡くなった時、実家にあった年賀状で連絡すべき人を割り出して、亡くなったことの連絡もしていな。
 家族葬が主流となりつつある今の時代には、こういった亡くなったりたタイミングでの急ぎの連絡も当然のことながら必要でなくなってきているが。

 私自身、今後 どうするかは決めていないが、無理せずにできる範囲で何とか続けていこうかな というのが 今の時点での考えである。
 一年後にはどう変わっているかわからないけど。

 考えすぎかもしれないが、こういった風潮も少なからずコロナの影響もあるのかも。
 まずは生きるために必要なことだけ きちっとやっていこうと考えのもとで、今や「以前に」とか「慣例として」というのは、気に掛けなくていい時代になっていってしまってるように思う。
 少しだけ寂しさは感じているがやむを得ない。時代はどんどん進んでいっているのだから。
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2023年01月01日

No.812:謹賀新年

No.812:謹賀新年

あけましておめでとうございます
新たな年を迎え みなさまはどんなお正月をお過ごしでしょうか。
今年も事務所の年賀状で新年のスタートをきらせていただきます。

以下、事務所の年賀状より

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謹賀新年 

旧年中は格別のお引き立てに預かり誠にありがとうございます。
この2、3年間 コロナ禍で何かにつけ混乱する中では、すぐ目の前にある必要に迫られていることなど ついつい“今”に重点を置きながら過ごしがちであったように思います。
完全に元に戻ったとは言えない状況ではありますが、世の中が落ち着きを取り戻しつつある中、今後はもう少し先の5年後、10年後の将来のことを考えながら過ごしていくことが求められるようになっていくでしょう。
我々の周辺も最終的にはコロナ前とは違った状況となり、新しいものを創り上げていく必要もありますが、私は前に進んでいく上でもこの一年はあえて『原点回帰』という言葉を頭の片隅に置きながら過ごしていこうと考えております。
これからも皆様方とともに歩んでいきたいと思っておりますので何卒よろしくお願いいたします。

令和5年 元旦

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    廣井 増生
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posted by ヒロイ at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする