そういったものが各担当者を経由して毎月100件以上私のところに回ってくるが、すべての先について細かくチェックできているわけではない。 ただ、顧問先ごとの一定の情報が私の頭の中にインプットされていれば、各先ごとに見るべきポイントが浮かび上がってくるのも事実である。
いくつか例を挙げると
・コロナの影響を受け 大幅な減収となった先がここへきて回復基調にあるが、これから始まるコロナ時に受けた融資の返済にまで資金が回せるのか。
・本店の移転を計画中であるが、自己資金だけでは賄えない分をいくら融資を受ければいいのか。
・季節変動の大きな業種の場合、落ち込む月はともあれ、通常月の2倍近い売り上げが見込める月が今年もそれくらいの数字を確保できているか。
・「人に手厚く」という方針のもと例年以上の昇給をしたが、それがどこまで収益に反映されているのか
・同じ診療圏内に同一診療科のクリニックが開業したが、その影響はどれほどあるのか。
等々。
こういった状況は各顧問先 一件ごとに異なっているし、各担当者から毎月、報告を受けている内容と照らしてどうなのか、またその担当者は前回の提案事項を実行に移すためにどんな働きかけをしているのかを、顧問先の経営者の顔を思い浮かべながら経営数値を眺めていると最終 所長の決裁印を押す前に考えることは結構ある。
毎月の面談は直接顧問先と関わる いわゆる巡回監査担当者9名で対応しているが、上記のような思いを頭の中で想定しながら数字に接していると、私自身 顧問先と面談していなくても身近に感じられるようになる。
業種的には開業医、いわゆるクリニックの顧問先が多いが、逆にクリニック以外の業種の話に興味が湧いてくることも多い。
建築業、自動車部品の製造、Tシャツのプリント販売、動物病院、それに居酒屋等、いろいろな業種の経営状況を知ることで多少なりとも世の中の流れというものを感じ取ることができる。
こういったいろいろな角度から数字を見ていくと、単なる数字の羅列ではなく、各顧問先が向かう方向(道)が見えたり、経営者の努力の跡が読み取れたりする。
また、今の物価高はどんな業種がどういう影響を受けているのか? 政府が躍起になっている給与水準の引き上げは現実として実行されているのか、果たして賃上げができる環境下にあるのか・・・。
考えはいくらでも広がっていくので、私の方も毎月 頭が整理されたり、リセットされたりして 刺激的な中で日々の業務をこなしている。
私が全ての顧問先の中に入る込めないという現状の中で、私の役割としては顧問先の方々に、「廣井事務所でよかったわ」と思ってもらえる指導体制を作り上げることが役目なのかなと思っている。
我が事務所の運営方針のような少し硬い話しになってしまったが、通常していることを整理してみれば今日のような内容にまとまってしまった。
事務所のメンバーも指導型、伴走型、御用聞き型 と様々なタイプがいるが、最終的には顧客満足度がどうしたら高まっていくのかが一番重要なところである。
私も事務所も顧問先の方々に対して、まだまだフォローしないといけないことがたくさん残っているなと感じながら、休日にこんなことを考えていること自体 果たしていいのか なんて妙なことも考えてしまっている、こんな言葉も頭の片隅に置きながら・・。
「無駄な時間を過ごすことこそ贅沢であり、これを浪費と思ってはいけない。人間には誰からも入り込めない時間が必要である。日常とは切り離された。」
なかなか難しいわ、ほんまに。