ネット社会の中で生活している最近の若い人たちは、人の繋がり、特に個人的な人間関係に頼ることなく、自分で情報を入手し、自分の判断で物事の良し悪しを決めるという人も多い。
SNSでの情報や口コミサイトなどには非常に敏感で、必要な物を買う、食事の店を選ぶ、それに医療機関を選ぶなど 何か行動を起こす時にはこういった外からの情報が判断の決め手になっていることも多いように思う。
振り返ってみると我々のような古い人間は多くの場面で縁がつきまとっていたように思うし、さらに親の代には縁談に始まり、縁故、血縁など縁なしには社会が成り立たないような時代であったように思う。
ただ 我々が社会に出る頃、つまり今から40年くらい前は、古いしがらみのような意味を持つ 縁を断ち切ろうとのしていた時代であったのかもしれない。
というのもあの頃 縁というのは決してよいイメージでなく、縁故とか血縁というのが何かしらどろどろとしたイメージがあったし、縁談というのもこの頃からはあまり口にすることがなくなったように思う。
この縁談についてであるが、今でもお付き合いを始めるきっかけはまだまだ他の人からの紹介が多いように思うが、古い時代のように家と家の繋がり中での紹介というのはほとんどなくなってきており、もう少し軽いというか身近な友人からの紹介が主流のようである。
そもそも今の若い人たちにとって縁談とかお見合いなんていうのは古い時代のものになってきているのかもしれない。我々が仕事をしていくうえで、顧問先になってもらったり、相続やコンサルの仕事の依頼を受けるのは、HPを見てとか、私が講師を務めた研修会を受講してというのもたまにはあるが、数としては非常に少なく、やはりまだまだ知っている方からの紹介というのが圧倒的の多い。
もっと大手の税理士事務所であれば、「HPや広告を見て是非ともお願いしようと思いました」というようなこともあるかもしれないが、中小の税理士事務所ではまだまだ“縁”を頼って相談にこられたり、仕事の依頼をされる方が多い。
一言で縁と言っても、この縁というのは結構 奥が深いように感じる。
新しい顧問契約を結んでいただく方の中には、「評判を聞いて」という方もいらっしゃるが、これとて見知らぬ方からの情報ではないので一種の縁が取り持ってくれているといってもおかしくないように思う。
縁、縁、縁と同じようなことばかり言っているが、やはり我々のような仕事は評判や口コミも含めた縁というのが非常に大事であり、そのためには決してうわべでお上手したり、されたりというのではなく、正当な形で評価してくれることが必要である。
また、逆に悪評となれば、またたく間に多くの人に知れ渡るのでこれはこれで非常に怖い部分である。
ただ これからの時代、若い人をターゲットとした新しい形のビジネスは縁だけを頼っていては広がりを持たないであろう。
そういう意味ではタイトルにあるように縁に頼らないビジネスの手法やスキルもしっかりと身につけないと取り残されるであろう。
今までビジネスというのは何か一つの強みがあれば成り立つこともあったが、これからはいくつかの強みを持ち合わせて いろいろな角度から評価してもらわないと生き残っていけない時代になっていくように思う。
そういう意味において今日のタイトルの「縁に頼り、縁に頼らず」ということについて自分なりに考えていたことを綴ってみた。
でも “縁”って本当に難しいですよね。