2022年09月25日

No.798:縁に頼り、縁に頼らず

 最近では “縁(えん)”という言葉をあまり聞かなくなったような気がする。
 ネット社会の中で生活している最近の若い人たちは、人の繋がり、特に個人的な人間関係に頼ることなく、自分で情報を入手し、自分の判断で物事の良し悪しを決めるという人も多い。
 SNSでの情報や口コミサイトなどには非常に敏感で、必要な物を買う、食事の店を選ぶ、それに医療機関を選ぶなど 何か行動を起こす時にはこういった外からの情報が判断の決め手になっていることも多いように思う。
 振り返ってみると我々のような古い人間は多くの場面で縁がつきまとっていたように思うし、さらに親の代には縁談に始まり、縁故、血縁など縁なしには社会が成り立たないような時代であったように思う。
 ただ 我々が社会に出る頃、つまり今から40年くらい前は、古いしがらみのような意味を持つ 縁を断ち切ろうとのしていた時代であったのかもしれない。
 というのもあの頃 縁というのは決してよいイメージでなく、縁故とか血縁というのが何かしらどろどろとしたイメージがあったし、縁談というのもこの頃からはあまり口にすることがなくなったように思う。
 この縁談についてであるが、今でもお付き合いを始めるきっかけはまだまだ他の人からの紹介が多いように思うが、古い時代のように家と家の繋がり中での紹介というのはほとんどなくなってきており、もう少し軽いというか身近な友人からの紹介が主流のようである。
 そもそも今の若い人たちにとって縁談とかお見合いなんていうのは古い時代のものになってきているのかもしれない。

 我々が仕事をしていくうえで、顧問先になってもらったり、相続やコンサルの仕事の依頼を受けるのは、HPを見てとか、私が講師を務めた研修会を受講してというのもたまにはあるが、数としては非常に少なく、やはりまだまだ知っている方からの紹介というのが圧倒的の多い。
 もっと大手の税理士事務所であれば、「HPや広告を見て是非ともお願いしようと思いました」というようなこともあるかもしれないが、中小の税理士事務所ではまだまだ“縁”を頼って相談にこられたり、仕事の依頼をされる方が多い。
 一言で縁と言っても、この縁というのは結構 奥が深いように感じる。
 新しい顧問契約を結んでいただく方の中には、「評判を聞いて」という方もいらっしゃるが、これとて見知らぬ方からの情報ではないので一種の縁が取り持ってくれているといってもおかしくないように思う。

 縁、縁、縁と同じようなことばかり言っているが、やはり我々のような仕事は評判や口コミも含めた縁というのが非常に大事であり、そのためには決してうわべでお上手したり、されたりというのではなく、正当な形で評価してくれることが必要である。
 また、逆に悪評となれば、またたく間に多くの人に知れ渡るのでこれはこれで非常に怖い部分である。
 ただ これからの時代、若い人をターゲットとした新しい形のビジネスは縁だけを頼っていては広がりを持たないであろう。
 そういう意味ではタイトルにあるように縁に頼らないビジネスの手法やスキルもしっかりと身につけないと取り残されるであろう。
 今までビジネスというのは何か一つの強みがあれば成り立つこともあったが、これからはいくつかの強みを持ち合わせて いろいろな角度から評価してもらわないと生き残っていけない時代になっていくように思う。
 そういう意味において今日のタイトルの「縁に頼り、縁に頼らず」ということについて自分なりに考えていたことを綴ってみた。 

 でも “縁”って本当に難しいですよね。
posted by ヒロイ at 20:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月19日

No.797:もう15年が過ぎました

 23年間勤めていた税理士法人を退職し、独立開業という形で事務所を立ち上げてから9月21日で15年になる。
 何事も過ぎてしまえば あっという間 というのがお決まりなのだろうし、思い返してみても「本当に早かったなこの15年間」というのが正直な気持ちである。
 ただ、顧問先や社員等の事務所のこと、それに私の家族を取り巻く状況の変化に目を向けると、この間 本当にいろいろなことがあったし、そのいくつもの場面が頭の中に浮かんでくる。
 15年の間、決してトラブルや問題がなかったわけではないが、こうして無事15年を終えられたということで、一応 「よし」としようと思っている。
 事務所のとっては9月21日が創業記念日で、5年目、10年目の節目の時には、社員旅行を実施してきた。
 ただいくら節目とはいっても 15年目の今年はそんなことができる状況ではなかったので、ささやかな食事会でも と比較的コロナが下火であった7月に 約2年半ぶりの全員での食事会の計画を立てたが、9月2日の実施予定日の前には第7波が猛威を振るい、20人そろっての食事会の開催はさすがに実行に移すことはできず、いったん中止ということになった。
 毎年、9月21日には全員にささやかなお礼の品を渡しているが、今年は15周年の食事会ができなかったし、その代わりに何がいいだろうと考えていたところ、先に事務所のみんなから開業15周のお祝いの品物をいただいた。
 先日、朝の9時半頃 いつもどおり自分の机で仕事をしていて、何かざわついているなとふと顔を上げると、全員が事務所のフロアいっぱいに輪を作り、「15周年おめでとうございます」といって 高そうなものに入っている私が一番の好みである麦焼酎と何種類も入ったおつまみセット、それによく車に乗るからということで素敵な革製のキーホルダーをいただいた。
 正直 全く予期していなかったし、突然のことであったのでびっくりするやら、感動するやらで何とも言えないうれしい気持ちになった。
 事務所の人たちにとって、この職場って働きやすい環境なんだろうかと ことあるごとに自問はしているが その答えは自分ではわからないし、社員のみんなとこういった話をする機会もほとんどない というか 私からは聞けないことである。
 どうすればみんなが満足でき、そしてどんな不満を抱えているのか これは世の経営者がいつも頭の中で考えていることであるが、その最良の答えは何年たってもつかめないまま、こうして何年かが過ぎていってしまっている。
 開業前も開業後も特に変わったこと、特別なことなど一切していないが、ただ一つだけこれだけはと心に刻んでいることがある。
 それは「毎日 後ろ指をさされないように生きていこう」という単純なことであり、誰でもできるようなことかもしれないが、実はこのことって 結構大変で、自分にとって何か重しのようなものになっているなと感じることもある。
 まあ、所詮 どこまで行っても普通の人間なんだし、自分らしく無理せずに日々を送っていくことが大事なんだと思っている。
 なんだか最後は少しだけ重い話しになってしまったが、一応15年目の節目として自分自身にも言い聞かせるつもりで今日の内容をまとめてみた。

 そろそろ近畿地方にも台風の影響がでてきそうなので、この後はおとなしくして、明日に備えようと思っている。
 では今日はこのへんで。
posted by ヒロイ at 14:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月11日

No.796:「了解」、「納得」、そして「満足」してもらうまでには

 このブログは私の独立開業を機に確か開業日[2007(平成19)年9月21日]の前日に第1回を掲げたので もう少しで丸15年を迎えることになる。
 その間、自分自身はもちろんのこと、事務所、それに各顧問先の状況も大きく変化したなとあらためて感じる。
 元々 自分が国語力、文章力が劣っているはわかっていたので、この日記を綴ることで少しは自己鍛練の機会にでもなればという思いもあり、スタートを切ったのを覚えている。
 ただ、若い頃に基盤が作り上げられる才能とか能力はそう簡単に築いたり、アップできるものではなく、いつになってもなかなか満足のいく文章が書けないので、自分でも嫌になることもある。
 これは恥ずかしながら 本気で国語の勉強に取り組んだことがないことと あまり(ほとんど?)本を読まなかったことに起因していることは重々わかっているが、自分の語彙力のなさにはついつい情けなくなることもある。
 また、語彙が豊富な人の話や文章に触れるとただただその人のことが羨ましくなったりもする。

 こんなことを考えている私であるが、よく似た言葉で使い方やニュアンスが微妙に違う言葉に遭遇し、考えさせられることがあったので 今日はそのことについて少しだけ触れることにする。
 それは「了解」、「納得」、「満足」という3つの言葉であるが、あらためて確認してみると、これらの言葉の意味は下記のとおりである。
*了解:物事の内容や事情を理解して承認すること。
*納得:他人の考えや行動などを十分に理解して得心すること。
*満足:希望が満ち足りて不平がなくなること。十分であると感じること。

 人と話をしていたり、メールでやりとりをして、相手の方から「了解しました」とか「承諾しました」という返事をもらってホッとすることは誰しも経験のあることであろう。
 ただ、その文章を深く読んでみると 「了解」はされているとはいうものの、気持ちのうえでは「納得」されていないのではと思うこともある。
 この「了解」と「納得」の間には大きな差があり、似てはいるもののこの差を埋めるのには相当なエネルギーを要することもある。
 上の言葉の説明にあるように「了解」は理解し、承諾することであるが、「納得」は理解したうえでさらに得心しなくてはならない。
 仕事をしていて「納得」までたどり着ければ、一応 及第点であろうが、この「納得」の上にはさらに「満足」という言葉がある。
 「満足しました」ということは、とてもうれしかったという意味合いも含まれていると思うし、仕事をしていてここまで至ることができれば、当然のことながらこちらも「とても満足できる仕事ができた」と次なる仕事へのファイトも出てくるものである。
 すべてのこと関して相手様に満足を与えられるかというとそれはそれでなかなか難しいことであるが、仕事をする者にとっては目標としたいものである。

 お客様が「納得」止まりなのか、「満足」されているのかわかりやすい目安がある。
 それは「納得」の場合にはその気持ちは自分だけで留まるが、「満足」された場合には、その満足したことを他の人に話されるし、仕事の場合、他の人を紹介してくださったりするということである。
 この「満足」をどれだけの人に与えられるか それがすべての仕事での共通の目標のようにも思う。
 ただ、そう簡単には「満足してもらう」までには到達しませんがね。
posted by ヒロイ at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月04日

No.795:何も考えなくていい時間

 今日は久しぶりに朝からぽぽたん(うちのワンちゃん)と散歩をすることができた。
 平日はカミさんが6時過ぎには連れて出て行ってしまうし、逆に起きるのが少し遅くなって出るのが6時半を過ぎたときは散歩から帰ってくるのが7時半頃になってしまう。というわけで どちらにしても平日は私はなかなか時間が合わず 今日のような何も用事のない休日の朝くらいしか連れていけない。
 たぶん赤ん坊もそうなんだろうけど、ワンちゃんも屈託がないというか、素直なところもあるが、相手の行動や気持ちに敏感でいっしょにいるとなかなかおもしろい。
 朝とはいえ車も走っているので飛び出したりしないようには気をつけないといけないが、こちらも休日の朝というのは時間を忘れ 「いつまでも付き合いまっせ」というくらいのゆったりとした気分で朝のひと時を楽しんでいる。
 私なんかは毎日付き合うわけではないのでこんなのんきなことを言っているが、日課として、朝夕2回ワンちゃんの散歩をしている人にとっては、義務的というか ある意味ノルマのように気持ちで歩いている人も多いはずである。まあ、私のようにたまに付き合う者にとっては非常に貴重な時間であるが。
 
 今日のタイトルである「何も考えなくていい時間」ということで、もう一つ思いつくことがある。
 これは我が家の暴露話のようなことになってしまうし、聞く人にとっては本当につまらない話かもしれなので、興味がなければさーっと飛ばしてください。
 私は1週間を通して、ニュースとスポーツ番組以外はほとんどテレビは見ないが、一つだけ見逃すことなく見ている番組がある。
 この番組名を言うのは多少恥ずかしさもあるが、言わないことには今日の話に続いていかないので言いますね。
 ご存じの方もあろうかと思うし、関西の人であれば一度くらいは観たことある あの土曜日の昼過ぎにやっている「吉本新喜劇」です。
 土曜日の昼のテレビ放映の時間に観たことはなく、録画で撮ったものを週に1回か、2週間に1回(この時は2本)観るが、この時間というのがカミさんと同じ時間に夕食を食べる時間なんです。それが月に1、2回でそれ以外はいっしょの時間帯に食べることってまずないですから。
 実にこの吉本を観ている時だけは本当に頭が空っぽになり、まさに「何も考えなくていい時間」なんです。
 それと私は丹後ちりめんの織屋の次男として育ち、朝から晩までワイワイガヤガヤ、家には常に誰かがきている まるで吉本のような家庭であったが、カミさんの家庭は真逆で親が公務員と学校教師で、本人曰く「家庭内に冗談を言うような雰囲気は全くなかった」ようです。今でこそ私以上に社交的で、だれとでも仲良くなれるような性格になっているが、若い頃はこういった家庭で育った片鱗のようなものがあり、私がつまらぬことを言うと、「しょうもないこと言って」と冷たい視線を浴びせられたこともあった。それが今では。
 本人には言わないが、吉本を見ながら声を出して笑っているカミさんは若い頃とのギャップが大きく、最初の頃はそのテレビを観る姿に私の頭の中には結構???マークがついた。
 
 まあ、最初に言ったとおり今日は本当につまらない話に終始してしまったが、ただ 時間に追われる中でのこういった「何も考えなくていい時間」は大事にしたいものである。
 もしかすると脳の老化を防ぐのに結構役立っているのかもしれないし・・。
posted by ヒロイ at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする