2021年10月31日

No753:決算の説明で褒めちぎった顧問先

 コロナが蔓延してから、腹の底から笑うことが本当に少なくなってきたような気がする。
 これは楽しことが見当たらないというだけでなく、楽しいことがあってもその出来事の全てを人に言いにくい雰囲気がまだまだ世の中にはある。
 乗り物好きの私も長い間、飛行機や新幹線には乗っていないが、仮に今後どこかへ旅行に行ったとしても、しばらくの間は以前のように「○○に行ってきてん、 名物の○○もめちゃ美味かったし」と言える状況ではないように思う。
 ただ、徐々にとはいえ人の動きも出て来て、私の周りも多少なりとも明るい話題もちらほら聞かれるようになってきている。
 今までのような遠方へ旅行に行った人にはなかなかお目にかかれないが、「娘のところに行ってきてん」とか、「久しぶりに じじばばに孫の顔を見せてきました」というような、身内の中で行き来された話は、この1ヶ月で何人からか聞いた。
 コロナに関してはまだまだ油断できないし、この先 年末までに何が起こるかわからないので、気を緩めることはできないことに変わりはない。

 こんな中で少しだけほんわかする話です。
 ある顧問先の経営者(クリニックの院長)には、現在30前後のお嬢さんが2人いらっしゃるが、10年程前はそれぞれの成人式の晴れ着姿が院長のパソコンの画面出てくるようになっていて、照れながらも何ともうれしそうに私の方へ画面を向けられた。
 先日 訪問したときは、二年前に結婚された長女さんへ住宅資金贈与の相談があり、その後、お孫さんへの教育資金贈与の話になったが、私は「お孫さん いつお生まれになられたんですか?」と聞くと、「いや、まだ娘は妊娠中で出産は来年なんです。先日、うちのエコーで見たらはっきりと見えまして、もう感動もんでしたよ」とおっしゃったが、思わず「お生まれにならないと贈与できませんよ。」と笑いながら答えた。
 この先生とは、クリニックを開業された15年程前からのお付き合いであるが、何年経っても開業当時の謙虚な気持ちをお持ちで、患者さんの受けも大変よく(私の知っている人も患者で通っている)、また、コロナへ対応もどこよりも早く、患者も安心できるクリニックという見方をしているようである。
 そしてこの4ヶ月はコロナワクチンの接種に追われ、いっしょになってそれに対応してくれたスタッフに対する待遇も院長の気持ちも込め 他のクリニックよりも手厚いものであった。まさに院長とスタッフが一体となり、体を張っての奮闘ぶりであった。

 最後にこの先生の人柄を表したものとしての話をもう一つ。
 3年前に還暦を迎えられた時、奥様とスタッフが院内食事会の中で番外の“還暦お祝い”を先生には内緒で計画され、それが実行に移された当日は、先生は驚きを超え、感無量の表情だったとのこと。
 この先生はいい車にこそ乗っておられるが、必要な物はすぐ取り入れ、ムダなものには手を出さないという何か信念のようなものをお持ちの経営姿勢で、今まで銀行からお金を借りられたことは一度もない。
 先日 説明をした決算数値は手堅い経営内容を表す数字が並んでいて、思わず「今回の決算数値は全く問題がありません。このままの形、今までどおりの経営姿勢で続けていって下さい。」と私の思いを率直に伝えるだけで終わった。

 この先生は口数こそ少ないが、接していると「謙虚な気持ちは何よりも勝る」ということが伝わってくる感がある。
 
 本当に顧問先の方々は良き見本の宝庫であり、まだまだ地に足がついていない私にとって、本当に見習いたい生き方が目の前にたくさんある。
 変な話、これだけでも税理士っていい仕事だなとつくづく思う今回の話でした。
posted by ヒロイ at 22:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月24日

No752:いよいよこの時期がやってきた

 税理士業界が一年の中で一番忙しい時期というのは1月後半から3月後半までの確定申告の時期であるのは世間でも知られていることと思うが、実はこの時期だけでなく、我が事務所では確定申告に向けての準備を10月から始めるので、今の時期もいろいろな業務が立て込んでくる時期である。
 確定申告というのは1年間終わったものを決算という形にまとめ上げ、税金の計算をするというのがメインであるが、当事務所では毎年10月になると、8月までの実績に年末までの残りの期間(9〜12月)の予測値を加え、「決算・税額予測」なるものを顧問先に提示している。
 これは各担当者が8月までの数値をもとにして、あと4ヶ月分の予測を立てるという作業であるが、昨年と同様 今年も今までにはなかった”コロナ”の影響を受けている顧問先も多く、予測すら立てにくい先も何件かある。
 ただ、税金のことだけでなく、中には資金繰りの心配や相談に乗る必要のある顧問先もあり、担当者の頭のひねりどころであるし、この決算損益予測という作業は、顧問先のこの一年間の活動をあらためて確認すのには非常に意味のあることである。
 どの業種もコロナに翻弄されているとはいえ、先回りしながらコロナ対策を立てたり、避けることなくじっくり向き合っている事業者はそれなりの業績が維持できているのを見ると、向かってくる敵には勇気を振り絞って向かっていかなければならないこともある というのがコロナ対策を練っておられる方々を見ていて感じることである。

 当事務所の顧問先の多くを占める医療機関もこの時期になると、コロナのワクチン接種はひとまず横に置き、これからは例年どおりインフルエンザのワクチン接種で忙しくなってくる。
 世間では”医者”というのは高学歴で高収入というのが一般的な捉え方あろうが、身近で見ていると国をはじめとする行政からの要請と患者さんからの要望という、ある意味 考えの違うものの板挟みで頭の痛いも多くなってきているように思う。
 医者に接する機会は多いが、仕事上で寄り添っているからなおさらであろうが、「医者って羨ましい」なんて思うことはまずない。いや〜、そりゃ大変ですよ、特にコロナ後は。

 コロナに振り回されているとはいえ、街中はそれなりに行きかう人も増えているが、果たしてこのまま 以前の日常に戻っていいのか そんな思いを抱きつつ、半信半疑のまま外出をしている方も多いように思う。
 気のせいかもしれないが、コロナ前の心の底からレジャーを楽しんでいるようには見えないんです、人の顔を見ていると。

 今年もあと残すところ2ヶ月とちょっとになってしまったが、このまま年末まで突っ走るのではなく、この10月後半は少しだけ立ち止まって、ここまで今年がどんな年だったのか、そして残りの2ヶ月、そして来年はこんな年にと、考えてみるラストチャンスかもしれない。
 11月になると誰しもがお尻に火が点いてくると思うので、その前にという意味である。
 
 今 私がパソコンを打つ横にいるポポタン(ワンちゃん)はいつもどおり、本当に気持ちよさそうに眠っているが、そろそろ起きそう時間なので、起きたら散歩にでも行ってきます。
 では、日に日に寒くなりますが皆様方もお身体には気をつけて年末までの2ヶ月を乗り切ってください。
posted by ヒロイ at 16:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月17日

No751:12年ぶりのJ1復帰まであと一息

 今日は久しぶりにスポーツの話題です。
 スポーツといっても今盛り上がっているサッカーワールドカップのアジア最終予選でもなく、いよいよ佳境を向かえている日本のプロ野球のことでもない。
 今や注目度では下降気味とも言われているサッカーJリーグ、しかもJ1ではなく、J2 いわゆる2部の話題である。
 このJ2の順位を追っている人は極まれだと思うし、今 J1への昇格が可能となる1、2位にどのチームが入っているかご存知の方ってほんのわずかしかいないとは思うが、なんと20年近く応援し続けている地元の京都サンガFCが昇格圏内の2位に着けているんです。
  京都新聞とKBS京都(テレビ、ラジオ)では たまに取り上げられる機会もあり、さすが地元メディアだなと感心することもあるが、他では話題にもあがらず、私の周りの人で興味を示す人はほとんどないという状態である。
 先日も事務所のある男性スタッフに「サンガが今2位なんで今年こそはJ1に上がるかも知れんな」と私が話し掛けると、「結構 調子がいいのは聞いていましたが、そんな上なんですか」という 大して関心のなさそうな返事であった。
 私も元々はサッカーにそれほど興味のある方ではなかったし、子供の頃は当時 サッカ不毛の地と言っていいような田舎に住む ただの野球少年であった。
 というか当時の私の地元には中学までサッカー部がなく、小学、中学ではサッカーに触れるのはせいぜい体育の授業くらいであり、ルールもほとんど理解しないまま試合をしていた。
 オフサイドなどの決まりごとはほぼ無視され、キーパー以外は手を使ってはいけないというくらいがみんなの共通のルールであった。
 逆に野球は数名のプロ野球選手を輩出し、ノムさん(野村克也氏)の出身地も同じ地方で、そりゃ野球は子供から老人まで、朝から晩まで盛んな地域であった。

 そんな環境下で育ったので、スポーツとしてサッカーに関わり出したのは、長男が小学3、4年の頃、少年サッカーチームに入ってからのことあり、確か日韓ワールドカップも開催され、日本中がサッカーで沸き返っていて、当時は子供といっしょに西京極にサンガ(当時は「京都パープルサンガ」というチーム名であった)の応援に何度も通ったものである。
 一番多い年は1年に10回以上は行っていたでしょう、紫色のユニフォームを着て。
 サッカーチームのユニフォームは毎年デザインが変わるので、今 当時のものを着ている人はいないが、一応 子供たちと過ごした思い出の品として、私のタンスの底にずっと置いていたが、実はこの春の衣替えの時、弱いチームのものだし、着ることもないのでと思って処分したところである。
 もし、ユニフォームを処分した年に12年ぶりにJ1に昇格したとすれば、過去を捨てたことによって這い上がってきたのかと勝手に感傷にふけったりしている。

 いずれにしてもまだ今日の夕方からの試合を含め9試合も残っているので、最後まで分からないが、私にとってはコロナで明け暮れ、何ともどんよりした年にちょっとだけご褒美があってもいいのかなとJ1復帰を願っている。
 年末まで結構仕事は詰まっているが、その合間に(スタジアムに行くことはできないが)サンガの試合を追うことで息抜きができればと思う。
 最終戦の12月5日にはどうなっているのか、年末までの楽しみを持つ、にわか復帰のサンガオールドファンの一人である。
 今日の16時からの試合で勝てば、また一歩 J1が近づくのにな・・。
posted by ヒロイ at 13:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月10日

No750:時間の怖さ

 先日、ある大事な打ち合わせで当事者の一方の人が、打ち合わせ開始時間を勘違いされていたという、結構ドキドキすることがあった。
 私の事務所で4名で打ち合わせをすることになっていて、私とあるドクター(A先生)は予定時間である午後5時の10分くらい前からスタンバイしていた。
 この日に非常に重要な話に来られる予定になっていたある取引関係の会社の方(Bさん、Cさん)が、約束の5時を10分過ぎても、15分過ぎてもお越しにならない。
 A先生と顔を見合わせながら、「何が何でも遅いですよね、連絡もないし。何かトラブルでもあったのかもしれませんが、一度 連絡とってみます」と言ってBさんの携帯電話に連絡を入れると、電話が繋がり 私がまず第一声目に「今日、17時でしたよね?」と言うと、Bさんは「えっ?!」と驚きの声をあげたまま しばらく何もおっしゃらず、10秒近く経ってから「今日6時でなかったですか? ちょっと待ってください。」と言って、また数秒の空白の後、「大変申し訳ございません、前回が6時だったのですっかり今回も6時と思い込んで動いてました。今、そちらに向かってますが、到着は6時前くらいになりそうです。大丈夫でしょうかね、お時間の方は。」とおっしゃったので、「とりあえず待ってますので、気をつけてお越しください。」と言って電話を切った。
 このA先生はとてもお忙しい方で、この日も5時前から5時半までならなんとか時間がとれ、45分までなら延長可能、ただ それ以降は次の予定が入っているのでどうしても6時は無理ということであった。
 しかし、タイムリミットの45分になってもBさんとCさんは到着されなかったので、A先生は私に「今日は仕方ないというか、せっかく時間を確保できたのに残念です。Bさんがお越しになられたら次回の面談日を相談しておいてください、私は〇日の午後と△日の夜なら大丈夫ですから」と言い残して急いで帰って行かれた。
 普通なら、こんな時間の間違いをされると怒り爆発となってもおかしくないし、私もヒヤヒヤしている中で このA先生の冷静な対応には驚いた。
 この後、6時に到着されたBさんとCさんが今まで仕事に中ではあまり見たことがないくらい頭を下げ続けられたが時すでに遅しで、今日の大事な本題の話ができないまま、次回の面談日を調整する流れになった。
 そしてそれから3日後の何とか調整がついた時間に今度は4人で、面談をすることができた。
 この話、当事者であるBさんとしては、頭を丸太で殴られたくらい(今どきこんな表現はご法度か?)の状態であっただろうし、本来であればあってはならないことであるが、このA先生の神のような対応に救われたとしか言いようのない時間に関する“事件”であった。

 約束の時間を守るというのはある意味 決まりきったことであるし、場合によっては人間性そのものの評価に直結することだってある。
 私は時間に特別に厳しいという感覚はないが、どんな面談でも、どんな相手であっても、面談の中身について 常に対等は状態でスタートを切りたいと考えている。 だから、「すみません 今日は少し遅れ、お待たせしまして」という言葉だけは口にしないですむように心掛けている。
 頭を下げ、お詫びから入っていく面談(交渉)なんて、まずはマイナスからのスタートになるし、当方にとって決して良い結果にならないような気がする。
 時間をまず自分の方へたぐりよせ、自分のものにする。そして自分のペースで時間を使う。
 これってすごく大切ですよね、どんな場合であっても。
 みなさんの時間に対する思いはどんな感じでしょうか。
posted by ヒロイ at 22:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月03日

No749:コロナで忘れかけている今までの日常

 幾度にもわたり、しかも長く続いていた新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言が解除されてまだ3日目であるが、宣言→解除→宣言→解除 を何度も繰り返していたので正直 何がどう変わるのかピンとこないが、観光地の多い京都は一時閉鎖・休園していた公的な施設が再開しだしたということで、人の動きがいつもの休日より活発になっているし、今日の昼過ぎに通りかかった植物園の北門(北山)辺りもいつにない賑わいであった。
 まだ車が渋滞しているという状況ではないが、10月以降は修学旅行の予約も入りだしているとのことで、しばらく京都市内でほとんど見かけなかった観光バスも10月半ばからあちこちで目にすることになるのであろう。
 ただ、やっとここまで戻ってきたかと思う反面、こうしてOKの方へハンドルを切るとまた今までと同じことを繰り返すのではなかろうかと解除後の心配の方が先立つ。
 地下鉄や市バスも徐々に乗客が増えてきているとはいうものの、先週までは日中であれば まだ比較的距離を保ちながら乗ることができたが、こちらも再び 肌が触れ合うような混み具合になるのではと心配である。
 
 昨夜は大学の陸上部OBの役員会がWebで行われたが、これはコロナには関係なく、遠く離れている者同士が同時に議論できる こういったスタイルがとれるようになったのはコロナのお陰といっていいのかもしれない。
 先日、「自粛していた税務調査もコロナ前という状態ではないが、宣言解除後は徐々に元の形に戻します」という大阪国税局からのお知らせが税理士会を通じて送られてきたが、息つく暇もなく10月1日に早速、京都市内の税務署からある法人の税務調査実施の連絡が入った。
 「いきなりか。ここまでじっと待ってたんやろか。」と驚くと同時に、少し気持ちを引き締め直す自分がいることに気がついた。
 税務調査はここ数年、減少してきている傾向にあったが、税理士をしている以上避けて通れないことである。ただ、いつになっても税務調査はないにこしたことはないが。

 昨年の春以降、緊急事態の期間があまりにも長いので、今まで通常に行われていたことが、中止や規模縮小となり、いろいろな点で日常を忘れかけていたところがあった。
 学校行事やイベントの他、葬式もこの間、1回 家族葬(密葬)に出ただけで黒いネクタイを締める機会はほとんどなかった。
 結婚式もまさか身内の結婚式がこんな時期になろうとは思ってもみなかったが、5月の緊急事態宣言中に娘の結婚式が新郎新婦を含め10名だけで実施された。この結婚式は今までに経験したことのない“特別感”は十二分にあった。アルコール類の一切出ない結婚式ということも含めて。

 緊急事態宣言が解除された後は世の中の切り替えが早すぎて、また宣言が出ないとも限らないが、我々は行政のお役人でもないし、医療関係者でもないので、国や京都府、京都市からの発信に従っていくしかない。
 これだけいろいろなことが停止、塩漬け状態にされていたので、いざ宣言が解除されたからと言って、日常が大きく変わるわけではないが、少し落ち着いてくれば行ってみたいところがある。
 それは、鉄道ファンでありながら開館4年になるが、まだ訪れることができていない 京都鉄道博物館 である。
 ただ、期間限定の催物でもないし、逃げていくものではないのでゆっくりと世の中の状況を見極めながら実行に移したいと考えている。 スケジュール表を見る限り しばらくは行けそうにはないのは分かっているが。

 事務所は今出川通に面しているし、大学も近いので、明日以降 街の様子がどう変わるのか、外の様子も気にかけながら、宣言解除後の状況変化を捉えていきたいと考えている。
 それにしても去年に引き続き 何か落ち着かない秋ですよねー、今年の秋も。
posted by ヒロイ at 18:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする