2021年03月28日

No723:顧問先からの相談内容は十人十色

 税理士としての仕事の範囲というのは、会計や税務に関する相談、そして税務申告書の作成及び提出がメインであるが、それ以外にも経営や労務に関することや中には経営者ご自身の人生相談っぽいことに対してまで意見を求められることがある。
 人生相談といっても多少なりともお金に関する話が多いが、ご自身の老後資金のことにはじまり、親の介護や認知症への対応など、“老後”というキーワードだけでも相談内容は非常に多岐にわたっている。
 また、お子さまに関する話題も多く、時節柄 学費や進学先についての相談もある。
   中には私大医学部への入学が決まり、数百万円のお金を振り込んだ話とともに今後の学費や生活費の援助(仕送り)に関して相談されるドクターもいらっしゃる。
 さすがに、「どうしたら受かるんでしょうかね?」とか、「今後のことを考えどちらの方面に進むのがいいんでしょうか」なんていう質問には、私自身がお子様ご本人とも会ったことがないし、それぞれの性格や特性も分からないので安易な発言はできないし、しないようにしている。
 あと ご夫婦間のことを相談される方もあるが、こういった話もどちらかの肩を持つとより一層ややこしい話に入っていってしまうことにもなりかねないので、サラッと聞き流すようにしている。

 相談を受ける時、その相談の主である経営者やその奥様が、今までどんな生活をされ、今後どのような生き方をしようとされているのかを少しでも知ることができれば、当事者に合った話もしやすいなと思うこともある。
 特にお金の使い方は人さまざまで、税金を少しでも抑えたい人(これはほぼ全員か?)、とにかくお金を貯めたい人、自分の欲しい家や車にお金をつぎ込みたい人、今はただひたすら子供の教育資金を準備したい人 等、人によって仕事をしたり、お金を稼ぐことの目的は様々であり、相談に乗る前、あるいは相談している中でこういった“目的”を把握できれば、的外れな回答にならずに済むなと思うこともある。

 ただ、こういった多岐にわたる相談内容も今回の新型コロナの影響が色濃く出ていて、人それぞれの将来設計が思い通りにいかなくなってきているケースも結構見受けられる。
 ここでも今までの希望を曲げない人と現状を把握してうまく軌道修正できる人があり、やはり人生っていかに柔軟性をもって対処できるかが重要なことなんだなと人様の行動を見ていて考えさせられることも多い。
 私も今は経営者であるが、開業までの23年は勤務していたので勤務する人の気持ちも少しは分かるし、老親や子供の悩みもひと通り経験しているので、自分のこととだぶらせながら話を聞いたり、アドバイスをすることもある。
 ただ、どんな時でも自分と考えがいっしょなんていう人はまずいないし、どちらかいうと「自分とは違うな」とか、「私だったら別の方法を選ぶのに」なんて思うことの方が多いように思う。
 こういった時にこちらの思いをそのまま伝えることで、気を悪くされた経営者も今まで何人かいらっしゃったので、心のどこかで「本音ってどこまで口にしていいんやろか」なんて考えながら会話しているというのが実情である。
 私が話をしたり、相談に乗る場合、その相談者ご自身の意見とは違っても最後までじっくり聞いていただける方が何人かいらっしゃるが、こういった方と話をした後は、こちらとしてもなんだかすっきりするし、仮に私が話をしたことと別の方法を選択されたとしても 「思ったことを話してよかった」と感じる瞬間である。
 税や会計に関する話以外は、やはり年齢や経験がものをいう場合もあるし、こちらが教えられることも非常に多い。
 そういう意味においてこの仕事をする上では終着点はないし、顧問先の方といっしょになって成長していくくらいの気持ちで接している方がお互いにとってもいい関係が築けていくように思う。
 いろいろな話をしながら、こちらも 「いいことがあったら吸収してやろう」なんて考えながら仕事をするのが、この仕事を長く続けられるコツなのかもしれない。
 まあ、いろいろな方と話をするのが好きであることは、この仕事をする上で多少なりともプラスになっているんだろうなと思える。

 いよいよ3月もあと数日を残すだけとなったが、確定申告は期限が延長された関係もあって、資料の回収が遅れた先が数件あり まだ完了には至っていないが、あと残っている数名の方の申告書の作成を何とかこの1週間で終え、すっきりした気持ちで春を感じたいと思っている。ただ、どこへ行くにも出かけづらい状況が続いているが・・。
 今年の花見は車窓からだけで終わりそうであるが、これもあとになって 「あんな年もあったな」と言える日が来るのを期待しながら今日の話はこれで終わります。
 来週はいよいよ4月ですよ。
posted by ヒロイ at 15:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月21日

No722:憧れる “ 決断の早い人”

 顧問先の経営者の方で、「なんていう決断の速い人」と思えるような人がいる。
 この人のスピードについていくのに一時は苦労したこともあったが、そのテンポのよさには学ぶべき所も非常に多い。
 顧問先の経営者といっても とあるクリニックの院長であるが、この院長が昨年11月 私にに「建物が多少 老朽化してきていることや現在の診療スタイルに合わない間取りなので改装工事を考えている」と構想を告げられた。
 その後、設計の打ち合わせや一時的に別の場所で診療をするための仮診療所の確保とそれに伴う医療関連の各種届出など、主任スタッフと共に慌ただしく動かれていたが、この2月の工事開始から1ヵ月で改装工事を終え、3月には見栄えも、間取りも従来のものとは大きく変わったクリニックが“新装”オープンした。
 きれいになったこともあり、やはり患者も増えてきているし、通りに面したビルの1階にあるこのクリニックの前を歩いている人の中には 「新規開業?」という顔をしながら、中を覗き込むようなそぶりの方が何人もいらっしゃった。
 名称、診察時間、そしてスタッフも改装前と変わってはいないが、改装にもこれほど効果があるものなのかと私の方が少々驚いている。
 医療機器も今まで古くなったものは取り換え、充実したものとなったので検査内容も大きく変わり、検査の予約も4月の末までびっしり埋まったとのこと。みなさん「何科?」と診療科目に興味がおありかと思うが、もちろんここでは伏せておきます。
 こんなことは資金的な余裕があるからこそできることではあるが、このドクターは今までからお金を使う時は貯めていたお金を迷いもなく(当の本人は大層考えられた挙句であろうが)、スパッと出されるので、私の方が、「もう少し支出を抑えては・・」と思うこともあるが、この先生は趣味(スポーツ)以外には、あまりお金を使わず、残すときにはしっかりと残して、こういった必要な時には気持ちがよくなるようなお金の使い方をされる。もちろん無借金経営ですし。
 人の採用についても退職者がでたり、増員が必要な時には、必ずと言っていいほど翌日には求人に向けての動きをとられているし、時には一日も置かず、その日にハローワークに求人の連絡をされている。

 物事を決めるのに即決が美徳とは思わないし、即断をして「しまった」と思ったことは誰も経験があると思うが、このドクターはどうしてこんなに早く物事を決めることができるのであろうか? ということをちょっと興味もあり私なりに考えてみた。
 それはいろいろなことに対する知識や情報を収集する能力が非常に優れていて、このドクターと話し終えた後、「この医者、医療の専門的なことに限らず、世の中の流れや経済的・社会的なことま何でも知ってるな?」と思うこともあるし、逆に私が知らずに恥ずかしい思いをしたことも何度となくある。こういう方なので、私に話をされる時は事前準備も半分くらい進んでいることが多い。
 そうそう、早いということに関する話をいくつか思い出したのだが、先日 「クリニックのHPの内容を改訂しないといけない」とおっしゃっておられたが、それから10日後にはすっかり新しいものに変わっていて、そのスピード感には驚かされた。
 あと、訪問(面談)した時に質問事項を言い残して帰ってきたら、必ず翌朝にはその返事がくるし、早い時にはその日のうちにメールにてその回答が届いている。
 内容によっては早ければいいというものばかりではなし、まずはゆっくり考えて、人の意見も十分に聞いたうえでないと動けないこともあるが、この先生と接していると自分のスピード感や判断力のなさを痛感してしまうし、まさに「先手必勝」とはこのことなのかなと非常に学ぶべきとことも多い。

 最後にもう一つ付け加えておくと、この先生は自分が誤っていたと思うことに対しては、いち早くお詫びの言葉が返ってくるし、私に対して少し手間のかかるような仕事を依頼され、こちらが仕上げて返すと、「いつもご面倒をお掛けしてすみませんね。ありがとうございました。」とお礼の言葉がどんな時でも返ってくる。
 こんなところも、人と情報が集まりやすく、即断する上での自分を取り巻く環境が自然と整って繰んだろうなと思えてくる。
 このドクターは私より10歳以上若いが、本当に教えられることや学ばされることが多く、私自身「まだまだだな」と反省させられることもたびたびある。

 そういえば先週は久しぶりに“臨時休刊”させてもらいました。
今日は天気もすぐれない休日ですが、こういった天候の休日は外出する気も起らず、逆に落ち着くと思っている方もいらっしゃるのでは・・。
posted by ヒロイ at 16:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月07日

No721:人を雇う側と雇われる側のギャップ

 経営者は従業員に対していろいろな期待を持つが、その期待が大きいほど一層仕事に力が入って伸びる者と期待に押しつぶされダメになる者とがいるように思う。
 また、経営者の期待がさほど大きくない場合、「自分はあまり期待されていないようなので・・」と ほどほどの仕事しかしない者もいれば、「俺(私)、もっとできるんだけど」と評価の低いことを「なにくそ」と発奮材料にしてがんばる者等、働く側にもいろいろなタイプの者がいる。
 そういう意味において、人を採用し、仕事を依頼する側の経営者は、従業員がどのタイプの人間かを見極めることも非常に重要である。
 特に中小企業の場合、経営者と従業員の距離がそれほどないので 経営者の一言が従業員の将来や会社の今後に影響を及ぼすことも往々にしてある。
 また、多くの人員を採用する大企業より、採用する人数が限られている中小企業の経営者の方が、早く結果を求めるというのはよくあることであるし、どちらかというとこういった経営者の思い(場合によっては焦りともいえる)がマイナスに作用している場合も多くみられる。
 その要因の一つに考えられるのが、経営上 人件費の増加をある程度抑えることも必要であり、ましてや余剰に人を抱え込むほどの余裕はどの企業もない中で、結構 かつかつの状態、つまり一人でも辞められたら困るという状態で人員配置をしている会社も多くあるし、これも中小企業なら当たり前のことなのかもしれない。
 でも このことがいつになっても人が居つかない会社になってしまう根源であると思える部分でもある。
 新たに人を雇って、「ぼちぼちでいいよ」なんて言うわけにはいかないが、3カ月後、半年後、そして1年後にどれだけの仕事をしてもらうべきなのかをしっかりと考えたうえで、多少 余裕をもって結果を求めるようにすることが大事であろう。

 我々が学校を卒業した頃は学校を出れば働くのは当たり前であったし、働かないと食べていけないという現実が目の前に迫っていたが、今や新卒者の3割以上が3年以内に転職する時代であるし、働くということの意義も人によってさまざまである。
 こういったことも十分に踏まえて人を採用し、育てていかないといけない時代になってきている。
 終身雇用の制度は決してよい点ばかりではなかったのであろうが、今の時代のように、「いったんこの会社に入っといて」とか、「自分のしたい仕事が見つかるまで、じっくり考えてみる」なんていう余裕はなかったし、「会社のため」に働くことが、「自分のために」ということと重なっていたので、多くの人がそれほど疑問を持たずに仕事をしていた時代でもあった。
 そういう意味において、今は何とも羨ましい時代になったもんだと思うだけでなく、時代とともに仕事に対する考え方が大きく変わってきていることを理解する必要があるし、こういった変化への対応ができていない会社や経営者が今や人材難に陥っているのではないかと思えてくる。

 私の周りにも退職者の多い会社とそうでない会社があるが、その差は給与や勤務時間などの待遇面だけでなく、やはり何のために、誰のために働くのかということをしっかり持った人を採用しているかどうかによるように思う。
 それと仕事をしていると、当然のことながら仕事上の何らかの悩みを抱えている人もいると思うが、この悩みを打ち明けられる人がいるということも仕事を続けていく上での大きな要因であるようにも思う。
 家族や友人は当然のことであるが、同じ会社の同僚や上司、そして零細企業においては経営者に直接 話ができるかどうか、聞いてもらえるのかどうかも退職するのか、仕事を続るのかを判断するうえで重要なことのように思う。

 私自身もこの“風通しのいい社風”というのを目指してはいるが、これはなかなか達成できない 長年の目標の一つである。
 風通しがいいことが善であることばかりではないが、経営者も従業員も切羽詰まった状態で仕事をしていると風なんて通るはずがないし、このことを実現するには多少なりとも余裕を持たせることも必要なのであろう。
 ただ、分かっていながらも このことが実現できないもどかしさは私も感じている部分であるし、「余裕を持ちながら、効率化を実現する」ためにまだまだ模索は続くだろう。
 最後に、「何事も完成しないから毎日生きているのかも」なんて自分に言い聞かせながら、今日の話をまとめておしまいにすることにする。
 この調子だと3月もあっという間に終わってしまいそうな3月最初の日曜日でした。
posted by ヒロイ at 18:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする