この場で森会長が継続されることについての意見を述べるつもりはないが、あえて言うなれば、「どんなことでも 時代の変化についていけない人がトップに立ってやっていけるほど、世の中は甘くない」ということなのだろう。
政治の世界であれば、年齢、当選回数、派閥等のしがらみ以外にもまだ目に見えぬ男女差はあるように思うし、マスコミにしてもすぐに「女性初の・・・」のということを見出しにしたがる風潮がまだまだ残っている。
ただ今回は年齢、地域、そして性別なんて関係のない全世界の人が注目すべきイベントであるにも関わらず、政治家気質というか、古い感覚を持ったままの人がトップに立っていたことに問題であったように思う。
今の時代、どこからでも話が漏れるので 「ここだけの話」なんていうことにはなりにくいし、SNSという恐ろしい拡散手段があるのであっという間に全世界に広まってしまう。ということで、発言の真意は別にして、誰もがそういった状況の中に身を置いているということを自覚しておかないといけないのに この森会長はこの自覚が足りなかったということも問題を大きくしている要因の一つとしてあげられるであろう。
不祥事や男女の怪しげな話でも以前であれば、「ほとぼりが冷めるまで」といって、時が解決してくれる部分もあったが、今は全く逆で時間を追うごとに広がっていく状況にある。
そういう点を特に政治家や企業経営者たるものは、常に頭の片隅に置きながら行動しなければならないし、一歩 というか 一言 間違うと、一瞬でアウトになってしまう。
そのアウトも頭を下げて謝罪で済むうちは軽傷であろうが、内容によっては即刻退場ということも今の時代大いにあり得ることである。
では こういったことを防止できるかどうかというのは、手っ取り早いところでは同僚や部下、友人、そして家族の中に、問題点を指摘してくれる人がいるかどうかである。本当に独りよがりほど怖いものはないので・・。
ただ これがなかなか難しいことで、人間誰しも自分の周りは自分にとって心地よい人で固めたいと思うので、当然のことながら 子供から大人に至るまで心地の良い人間関係は自然と築かれていっているものである。
私自身も目の覚めている間は言動に気を付けなければいけない中に身を置いているが、ふと考えると一人でいる車の中とお風呂が何とも心地がいいのはこういったことと結びついているのかもしれない。
「目は口ほどにものを言う」と言われているが、仮に目の表情でいろいろな思惑が表に出ても、言葉にしなければ問題視されることはまずないと思う。やはり口から出た言葉は形の上では撤回ができたとしても、元には戻らないし、取り消すことだってできないものである。
言葉という観点で捉えた場合、最近の国会中継で、「○○さん、あなた先日・・・・って言ったでしょ」ととにかく言葉尻だけを捉えて論戦に持ち込んでいるの目にするが、こちらの方は言葉だけでなく もう少し問題の本質を議論してほしいなと思ってしまうこともある。
いずれにしても「口は災い元」ということは、いつの時代でも、どんな人でも共通して言えることなので、私自身も失言のないように心して毎日を過ごしていかねばと思っている。
最後に 今回の一件をみて自分に言い聞かせる意味で もう一つ誰でも耳にしたことのあることわざを掲げておきます。
「人の振り見て我が振り直せ」
では、今日はこれでおしまい。