2020年08月02日

No691:経営に好みを持ち込まない

 経営者、中でも中小企業のトップはいろいろなことを自分ひとりの判断で決めることができる場面が多く、当事務所の顧問先もほとんどが中小企業であるので上記のような形態が当てはまる。
 夫婦や親子だけの親族経営であればそれほど気を使う必要はないが、親族以外の人を雇用している場合に独断で物事を決めると思わぬ問題に発展することもある。
 特に人の採用や評価について少しおかしいのではと思った人事を何度か目にしたことがある。
 もう少し掘り下げていうとトップの“お好み人事”が問題を引き起こすことが多いが、一体 この“お好み人事”の問題点はどこにあるか分かりますか?
 それは好き嫌いで人事評価をしたり、給与を決めるので、基本的には正当な評価ができていないと思われることがあるし、中には経営者の“好み”が露骨にあらわれていて「この評価なに?」と感じるケースもある。
 “好み”で判断することを全て否定するつもりはないが、この“好み”というのは優しい言葉を掛けてくれるというような自分にとって都合のいい態度で、経営者のとってだけの心地のよさを醸し出してくれることに他ならない。
 つまりここが問題で かつ 経営者が陥りやすいところである。
 そりゃ心地よく経営(運営)したいのは誰しもが望んでいるところではあるが、心地のよさだけで前の進められるほど経営は甘くないし、事業の対象は自分自身でなく、相手、つまりお客様であるので、経営者だけが心地よくなったところで何のプラスにもならないことは誰にでも分かることである。
 こんなことあたりまえのことであるが、なぜか多くの経営者はこの居心地のよさにぐらっとくるのである。裏を返せば経営者って結構 孤独だからついつい心地よさを求めてしまうものである。
 でも、どこを探しても完璧な人間なんていないわけであるから、自分の弱点を補ってくれたり、間違った方向へ行きそうな時に、「それって、ちょっとおかしいですよ」と指摘してくれることは非常に大切なことである。
 そういう意味において、経営者にとって自分のことを客観的に見てくれる人がそばにいるかどうかが企業が成長するか、一定のところで足踏みするのかの分かれ目のような気がする。

 人事評価に話を戻すが、本当に会社全体のことや会社の将来を考えて行動しているかどうかが査定のポイントであり、それは単純にお気に入りや心地よさを評価基準にするのとは大きく異なってくる。
 時には冷酷に、時には優しくするという硬軟織り交ぜてする評価こそが、正当な評価、つまり評価の神髄であり、それが会社経営のポイントといってもいいのであろう。
 このようなことを実行に移すことはなかなか難しいことではあるが、私の周りには成功事例だけでなく、まずいなと思えるもいくつもあるので、何とかいい事例をまねながら事務所経営をいい方向へ導いていきたいと思っている。
 当事務所にはいないが、経営者に甘くて優しい言葉を投げかけてきて、経営者の心地よくすることだけに長けている従業員、これを見抜き、厳しい評価を下せる経営者こそ成功する経営者ともいえるであろう。
 経営者はこういった目や心を持ち合わせないといけないのであろうが、逆に経営者自身がそこまで達しないところに経営を続けていく意味合いがあるようにも思うし、完成した経営、揺るがない経営なんて存在しないので、そこをいつまでも追及し続けることも経営の醍醐味でもある。
 偉そうなこと言っているが、要はまだまだすべきことは山ほどある、というのが今日の結論である。
 ということで、明日からもがんばります。
posted by ヒロイ at 23:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする