2019年03月03日

No618:ブームに乗らない経営、ブームが去っても続けられる経営

 経営者の方と話をしていると自分の会社の柱となる本業についてとことんまで掘り下げ、何があろうとも本業で勝負しようとしている人もいれば、いつも自分自身がアンテナを張りながらいい話があればちょっと乗ってみようかなと思っていて、たまに会うと「なんかええ話ないですかね」が口癖のような人、 どちらがいいかどうかは別にして第三者的にはどちらも魅力的であり、かつ、どちらもリスクを抱えておられるなと思って見ている。
 この仕事をしだして間もない頃、つまり今から30年近く前になるが、30代半ばの若い二代目さんが、ある程度の資金をお持ちになられている親から「なんか新しいことをやってみたら」と後押しをされ、本業以外の商売に手を出され、自分自身ではきっとうまくいくはずだ と私にそのビジネスモデルについて熱く語られたこともあったが、やることなすこと何一つうまくいかず、最後はある駅前の一等地も手放され、確か丹波の方へ家族ごと行かれたと後で聞いた。
 新しい事業に手を出すことが決まった方の中には、こういった事業の開拓は運にも左右されると思っている人もいるかもしれないが、私は事業、特に新しい分野への進出は決して運に左右されるような軽々しいものではないと考えている。
 その分野を深く知ること、そしてその事業に入り込む前に外からもその分野の研究を重ね、過去、現在、そして未来がどう動くのか、周りの人間がどう反応するまで自分なりに組み立てられてこそ初めて、新しい事業がスタートラインに立てるものと考えている。
 
 過去において(もちろん顧問先以外も含めて)カラオケスピーカー、ペットの葬儀、ドッグカフェ、健康借品、レンタサイクル、民芸家具、それに食べ物では百円ケーキなどいろいろなものを見てきたが、私が思い浮かべたところ、今も続いているところはほとんどない。
 1年くらい前、 事務所の近くで立ち飲み屋ができ、私自身は立ってまでお酒を飲もうとは思わないので行ったことはないが、日のよっては結構賑わっており、2年後、3年後、ビジネスとしてどうなっているのかちょっと注目しているスポットである。
 事業というのは単一商品や単一分野だけで勝負することのリスクはあるが、まずは“これ”とよべるもので客や得意先を引き付けられないようでは、第二、第三のものでも勝負はできないであろうし、長続きはしないであろう。
 私が学生時代の頃からあった今出川界隈の“童夢”というケーキ屋さんは今でも残っているし、これまた学生時代にケーキとスパゲティーを食べに行ったセカンドハウスという店は今ではいくつも店を出し、北山店はうちの娘のお気に入りの店でもある。

 少し話が別の方向に行ってしまったので元に戻すが、事業はまずは揺るぎない本業があって初めて、次なる分野へ手を出せるというものであろう。
 それには、世間でブームと言われているからとか、儲かった人の話を聞いたからとかではなく、まずは自分がその分野に惚れ込むほど大好きで、誰にも負けないくらい知識を身に着け、そして、自分以外の第三者から(厳しめに)みても問題なくGOサインが出てはじめて、スタートが切れるということであろう。
 最近、私の知っている若い経営者の方が、「〇〇が今ブームでいいらしい」と言ってその分野に手を出そうとされているが、そんなに研究不足のまま手を出していいの?  と傍では見ているが、このブームというものにいったん入り込んだ人というのは人に耳を貸さないような状態に陥ってしまう。
 決してブームを否定するわけではないが、そのブームや当初の珍しさによる賑わいが去った後も 「あいつは違う」、「あの店は違う」と思ってもらえればそれは実力になってきているのであろう。

 客や得意先、そして一般の人たちは、今や経営者以上に本物を見極める力を持っているということを肝に銘じて新しい分野に取り組んでほしいものである
posted by ヒロイ at 21:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする