これ祇園の有名な芸妓さんの言葉なんです。
当然、世の中には記憶力の優れている人とそうでない人がいて、よく、『私、本当に物忘れが激しいんです。』とか『記憶力がなくて。』という話が出るが、これは仕事以外での日常生活やお年寄りの会話の中では、嫌な感じばかりでなく、ほんわり感というかちょっとホッとする部分もあるというのが本音である。
しかし、仕事をする上では、『私、記憶力がちょっと劣ってまして。』では済まされない場合もある。私の経験の中では、こういう言い方をされる方ほど、実はしっかりしている方が多いように思うが・・・。
これが事務所のメンバーとなると、「おいおい、仕事をする上でそれはあかんの違うか?」と思ってしまうこともある。記憶力という問題ではないかもしれないが、日々の仕事の中ではこんな事例があった。
我が事務所は地下鉄 丸太町駅徒歩3分という立地もあり、顧問先への移動に地下鉄を利用する機会が非常に多い。
南方面に向かうときは、烏丸御池で地下鉄東西線、四条では阪急、京都駅ではJR、竹田では近鉄と4つの乗り換えパターンがある。この時、当然のことながら何両目の車両に乗っていたら一番便利に乗り換えができるか、それぞれに違いがある。
また、奈良までの近鉄沿線に顧問先が数件あり、何両目に乗るのが下車駅で改札口に一番近いのか、ちょっと頭を働かすだけで、僅かとはいえ時間の短縮となる。
事務所のT君と一緒に出かけとき、私が『四条で阪急に乗り換えなので○両目』とか、『ずっと乗っている場合、前から○両目が空席が多いので座れる確率が高いぞ。』と言うと、最初は目を白黒させながら、『所長、すごい記憶力ですね。』と驚いていた。
私はすかさず、『こんなことは記憶力でも何でもないわ。ビジネスマンとして当然のこと違うんか。』と嫌味っぽく言った。
私からのこのパンチが効いたのか、最近ではこのT君といっしょに出かけると丸太町駅で乗る前に、『京都駅でJRに乗り換えなので前から○両目です。』と誘導してくれるようになった。
これって、つまらぬ話のようであるが、仕事をする上で色々なことに結びついているように思うし、非常に大切な要素も含んでいるように思う。
冒頭の売れっ子の芸妓さんもお客様の顔と名前はもちろんのこと、その方の好きな料理やお酒の種類、そして、趣味や家族構成まできちんと記憶されていて、何年か振りにお見えになったお客様に対しても、まるで数ヶ月前に会ったかのように前回の会話の続きができるそうです。
自分自身に置き換えて考えてみると、会話の出だしとはいえ、『あっ、そうでしたっけ?』と言われるのと、『そうそう、前回のあの話、おもしろかったですよね。』言われるのでは、親近感という面では月とすっぽんである。
仕事における記憶力と言うのは、ただ単に物覚えがいいと問題ではなく、その時いかにその話を真剣に聞いていたかによると思う。
“記憶にとどめる”というのは、まさに“印象として心と頭に刻み込む術”に他ならない。
我々のように40代も後半になってくるとこうしたことに気を張ってばかりはいられないが、これから伸びゆく若い人には是非ともこんなことでも貪欲に取り組んで欲しいものである。
ただ、一生懸命なんてそうそう長くは持たないし、さぼることにも意義を見出して、さぼろうと思った時は、迷わず、遠慮せずに勇気をもってさぼることも必要だと思う。
あ〜あ、また、“中年のおっさん”の説教じみた話になってしまった。最近このブログって、こんな話が多いなと自分でも多少反省もしている。
でも、本を読むと本当に良いことや楽しことがたくさん載っているので、ついつい紹介したくなってしまう。
今回も、祇園の芸妓の出身の岩崎峰子さんの著書 【祇園の教訓・・昇る人、登りきらずに終わる人】(岩崎峰子)の中には、私がドキッとする行動が幾つも掲げられていた。
全然、話は変わるが、明日から事務所は三連休であるが、明日はある方の紹介で事務所に秋田県からお客様が来られる。
多分、秋田県の人と話すのは初めてだと思うし、今晩から楽しみで楽しみでたまらない。

